「時をかける少女」

勉強のイメージ

先日、日本経済新聞社の編集委員の
石鍋仁美氏から、お話しを伺う機会があった。
その中で、特に印象的だったのが、
低予算アニメがブログでヒットした例だった。
その映画とは、アニメ版「時をかける少女」である。
私は、この映画のことを知らなかった。
今から20年以上も前に
映画デビューを果たした原田知世の
「時をかける少女」しか、知らなかった。


アニメ版「時をかける少女」は、
監督は細田守氏というアニメファンには有名でも一般的には無名、
声優も有名俳優ではなくキャラクターに合った若手を起用。
プロモーションにも、それほどお金をかけていない。
スタジオジブリ「ゲド戦記」における
スタッフやプロモーション費用と比べたら
わずかなものだろう。
それなのに、「時をかける少女」は、
7月15日の公開時には全国で6館だったのが、
2週間目以降の動員数が尻上がりに増え、
今では全国で60館での拡大公開が決まっている
というようにヒットしている。
いったい何が起こったのだろうか?
「時をかける少女」のプロモーションを
少し見てみよう。
まず、6月末に30人のブロガーを対象とする試写会の開催を決め、
公式ブログなどで告知した。
この試写会の評論については、
内容については制約を設けず、
「良いレビューは強制しません。それぞれの感性でお書きください」
とブロガーたちに依頼した。
これは、「作品に自身があるからこそ採用できた手法」と
担当者が言っていたようだが、
クオリティが高いからこそできることである。
その後、ブロガー達は、生の声をブログに載せ始めた。
それがあれよあれよという間に広がり、
ネットを活用する若手言論人、文化人らも
自分のブログでこの作品を褒め始めたわけだ。
ここで、大事なことを私は一つ学んだ。
それは、「コミュニティの可視化」という言葉。
ブロガーをはじめ、
ネットにはさまざまなコミュニティが形成されている。
そのコミュニティに共感して集まっている人同志の
クチコミ情報で商品を普及させるという手法は
今までもたくさんあったかと思う。
だが、今回のケースは、それにとどまらず、
「生の声による体験のシェア」がかなりの数で蓄積され、
幅広い層の人々を巻き込んでいったということ。
いわゆる、コミュニティの盛り上がりが
外から見えるようになったわけである。
これが「コミュニティの可視化」であり、
強力なメディアの役割りを担うということなのであろう。
いずれにしても、
このプロモーション手法は、
本物であり、ハイクオリティな商品だったからこそ、
成功したという事実を忘れてはならない。
アニメ版「時をかける少女」。
なかなか時間が取れない今日このごろであるが、
私も近いうちに、見に行ってみようと思う。

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