商業界 臨時増刊企画「販売促進の教科書」の取材のために
東京都世田谷区にある葬儀屋に行ってきました。
この葬儀屋の佐藤社長は、
「先代であるお父さんが二十歳の時に倒れ、
妹と弟を学校だけは出してやりたくて、
なかば仕方なく葬儀屋を始めた」と
おっしゃっていました。
当時は、本当にお金がなかったようで、
経営やマーケティングのことを学ぶにも、
本屋に何回も通いながら、立ち読みで知識を吸収していたとのこと。
アマゾンで月十数万も使っていた私にとっては、
ちょっと想像ができません。頭が下がります。
また、私のメルマガをずっと読んでいただき、
取材当日は、とても丁寧に対応していただきました。
本当にありがとうございます。
では、その取材内容の一部をご紹介します。
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葬儀屋にとって、見込客を見つける難しさは、ご察しのとおり。
縁起でもない話だが、
「身内に不幸がある家族を、どのように見つけるのか?」は、
簡単なことではない。
東京都世田谷区にある佐藤葬祭では、
価格が不透明だとマスコミにいわれる葬儀業界で、
消費者が一番知りたい情報である価格の公開を、
いち早くインターネットで実施し、
現在では、見積り実例集を約4,000通り公開している。
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/sato1976/
さらにこの葬儀屋では、まず準見込客を集めるために、
以下の写真のように数種類の小冊子をつくり、
これをチラシやホームページで告知する。
また、セミナーなども開催し、会場で渡している。
このようなことからも、多くの準見込客を集め、
関係をしっかり保ち、安定的に顧客を獲得しているといえる。
この小冊子の効果は、家族に「もしものこと」があった時に、
手元においてもらうことで、思い起こすきっかけを作ることができる。
だが、これだけでは足りない。
この葬儀屋では、それに加えて定期的にお便りを送っている。
この小冊子に興味のある方から、
自身の住所などの情報を提供していただいているので、
それに基づいて作成したリストに対し、
年に4回、季節のお便りを送るわけである。
このお便りは、準見込客に対し、定期的にさりげなく接触することにより、
「もしものこと」があった時に、思い起こしてもらえるよう、
記憶に残してもらうことが目的だ。
小冊子の効果をさらに補完しているのである。
葬儀屋は、消費者側に需要がなければ、成り立たないビジネスだ。
だからそれまでの間、辛抱強く、お便りを送り続ける必要がある。
そのお便りの内容に、売りこみは禁物。
さりげなく記憶に残してもらうことに注意を払う必要がある。