広告メッセージ開発するために「ラダリング」という手法がある。
「USP」の発見など売れる切り口を見つける時、
キャッチコピーを作る時に役に立つこともある。
消費行動の社会心理学的には、
ラダリングを次のように定義しているようだ。
製品(財およびサービスの属性・特性)と人(人の価値観)との間に
梯子(ladder)を懸け、両者を連結して、製品属性(product attributes)、
製品がもたらすベネフィット(benefits : 便益)、
消費者の価値(consumer values)の間の論理的な結びつきを発見し、
製品が消費者にとってどういう意味をもつかを明らかにするものである。
もう少し完結に言うと…
会社や取扱商品の本当の魅力を引き出し、そして伸ばし、
消費者との価値観の結びつきを発見していくこと。
では、どのようなプロセスを踏むかというと、
以下のとおりである。
1.商品属性
(Attributes) 商品・サービスの物理的または客観的な特徴で、
消費者が直接知覚できるもの。
↓
2.客観的ベネフィット
(Objective Benefits) 商品属性から直接引き起こされる客観的便益。
↓
3.主観的ベネフィット
(Subjective Benefits) 心理的な領域に属し、本人の感情・感受性によって
主観的にとらえられる便益。
↓
4.消費者価値
(Consumer Values) OB(客観的ベネフィット)やSB(主観的ベネフィット)が
本人にとってどの程度重要であるかを決定す恵右判断の基準。
もっとシンプルなプロセスとして、
ベネフィット(便益)にフォーカスしたものに
「ベネフィット・ラダー」という手法がある。
最初に「商品自体の特性から受ける利益」、
次に「消費者としてもたらされる利益」、
そして最後に「何らかの価値をもたらす利益」
というプロセスを踏む、具体的には以下のとおり。
「ベネフィット・ラダー」
製品属性 (製品の機能性)
↓
製品ベネフィット (その機能性がもたらす便益)
↓
消費者バリュー (その便益から消費者が感じる満足感)
これならばそれほど難しくなくできるかもしれない。
ただ、このプロセスを踏むと次のことを気づく。
1.ターゲットを明確にしないと、ベネフィットもバリューも
ぼやけ、消費者の琴線にふれるメッセージはできない。
2.梯子の真ん中であるベネフィットからは、良いメッセージはできにくい。
そもそも製品属性そのものにインパクトがある場合や
成長期の前半の商品であれば、「製品属性」からでも
良いメッセージができることがある。
3.一般的には「消費者バリュー」から導き出された
メッセージが最も効くようだ。