これからのブランディング 【第8回】これからの日本のブランディング(1)

みなさん、こんにちは。
シニアコンサルタントの山崎です。

連載コラム
「これからのブランディング」
第8回目です!

これからのブランディング 【第1回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~グローバルブランドランキングから

これからのブランディング 【第2回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~グローバル・トップブランドの3事例から

これからのブランディング 【第3回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~カンヌライオンズの観点から

これからのブランディング 【第4回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~ブランド動画:この10年のお勧め10選

これからのブランディング 【第5回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~ブランド動画:この10年のお勧め10選(後編)

これからのブランディング 【第6回】日本のブランディング状況について

これからのブランディング 【第7回】グローバルと日本のブランディングの比較について

前回は、
グローバルと日本のブランディング比較について
お話をしました。

今回は、いよいよクライマックス、
これからの日本のブランディングについて
3回連続でお話しします。

これまでお話ししたグローバル・ブランディングとの次元の差は、
どのように対応していったら良いのか?
非常に大きな課題ではありますが
自分なりの考察をお話ししていきます。

まず今回、「これからの日本のブランディング(1)」ですが
「これからの時代」「本来の日本企業の特性」
という観点でお話をしたいと思います。

では
そもそも「これからの時代」はどうなっていくのでしょうか?

まず大きな視点で見ると
これからは「風の時代」
と言われています。

これは、19世紀から200年以上続いた
目に見える物質的な豊かさに価値があった「土の時代」が終焉し、
目に見えないものに価値が見出される「風の時代」に入った(2020年12月~)
と言われているものです。

次に経済を中心とした潮流で見ると
グローバリズム(覇権主義)の終焉による
「反グロ―バリズム時代」
と言われています。

私も2018年から「反グローバリズム時代=民族自立×他国協調)」
と言ってきました。

そして、社会を中心とした潮流で見ると
2020年以降はコロナによる生活様式や価値観が根本的に変わり、
本当に必要なものが残る「社会大転換時代」であると言えます。

これらは、それぞれ中心とするものや呼び方は異なっても
核となる部分は共通していて
「競争社会から共生社会への転換」とも言えるかと思います。

そして、これらを総じて、
人類において「本質が求められる時代」となっていく、
と言えるでしょう。

次に、
そもそも「日本企業の特性とは何だったのか?」
という観点のお話をしますが、
振り返りとしてこれまでの連載を総括すると

グローバル・ブランディングの潮流

2010年頃からSDGs・Social Good・Purposeといった
社会課題解決型の本質的で長期的な事業価値訴求を中心としたブランディングが台頭し、
今やすっかり定着して、ブランド評価は事業成果と相関もしている。

日本のブランディングの遅れ

かたや日本は、未だ表面的で短期的な「イメージ作り」や「話題作り」が中心
グローバルとの格差が生まれてしまった。

となります。

しかし、これからの時代が共生社会となれば、
他人を思いやれる、チームプレーが得意な日本人の特性が生きてくると思われます。

そこで、
そもそも「日本企業の特性とは何だったのか?」
と考えると
実は、日本にはグローバルをリードするブランディングができる潜在能力があったのです!!

というのは、
CSV・SDGs・Purposeといった考え方は、
昨今グローバルから出てきたのではなく
本来日本にあった考えなのです!

例を挙げると

  • 江戸時代の近江商人の「三方良し」という思想
  • 松下幸之助氏による「企業は社会の公器である」という考え方

などがありますが
これらは短期的な利益より、中長期的な持続可能性(サスティナブル)に重点を置いたものと言え、
実際、日本は元々、「長寿企業大国」と言われているほど、
創業100年超えの企業が世界に比べて圧倒的に多い国なのです。

つまり、
「社会課題解決型」は、“実は日本が本家だった”
と言えるでしょう。

ということで
そもそもの、「これからの時代」「本来の日本企業の特性」を認識したうえで
次回
「これからの日本のブランディング」はどうあるべきか?
具体的なアプローチ方法などをお話ししていきます。

次回もお楽しみに!!

 

著者プロフィール

山崎 浩人 Hiroto Yamazaki
・一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会
/アドバイザー
・株式会社CARTA COMMUNICATIONS
/ブランド・コンサルタント

マス広告・CRM・モバイル・クロスメディアと
常に最先端のマーケティングを開拓。
通信業界x広告業界でモバイルキャリアレップCEO。
広告業界x放送業界でクロスメディア事業者CEO。
東日本大震災をきっかけにプレイヤーへ復帰。
世界最大手外資広告グループ会社に5年在籍。
日本自動車メーカー8社共同プロジェクト
「Drive Japan」の総合プロデューサーとして2012年Web人 of the yearを受賞。
大企業中心にブランド、グローバル、デジタルと様々な戦略コンサルティングを手掛ける。
業界等のイベント登壇、講演、記事、インタビュー、多数。

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