これからのブランディング 【第2回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~グローバル・トップブランドの3事例から

みなさん、こんにちは。
シニアコンサルタントの山崎です。

新連載コラム「これからのブランディング
第2回目です!

これからのブランディング 【第1回】ブランディングって世界ではどうなっているのか?~グローバルブランドランキングから」

今回は
ブランディングって世界ではどうなっているのか?
~グローバル・トップブランドの3事例から
についてお話しします!!

正直、このような話をする人って、自分の知る限り会ったことがありません。
今回も必見ですよ。笑

では、早速3事例をご紹介いたします!

1.Apple

最初の事例は、やはりなんといってもApple。
Appleは前回ご紹介した「 グローバルブランドランキング」で、
なんと10年連続トップを達成しています!
流石です。

そしてAppleといえば
Think different
というスローガンが有名ですね。

実際に言語化されたのは、伝説のCMと言われる
1997年Apple Computerの広告キャンペーン
「クレイジーな人達がいる」のスローガンとしてですが、
https://www.youtube.com/watch?v=jIStLfVfwNg

あの有名なCM「1984」においても、
https://www.youtube.com/watch?v=R706isyDrqI
当時「帝国」と言われていたIBMが100年前から掲げている「Think」という思想
に対抗するスタンスを示しており、潜在的なマインドとしてはずっと存在していた
と言えるのではないでしょうか。

さらには、2013年のクリスマスCMである
misunderstood」(誤解)
https://www.youtube.com/watch?v=03KQTCEM08k
こちらも言葉としては出てきませんが、隠れメッセージとして
Think different」があることがわかります。

このようにAppleは長年にわたり一貫したメッセージを発信していると言えます。

又、そのメッセージ「Think different」(Why)は、
Appleらしさ(How)、製品群(What)にも一貫しており、
これはブランディングの手法として、最強でありつつ実現や継続の難易度が非常に高い。
ブランドとして10年にわたりグローバルトップに居続けられる秘訣であると思います。

 

2.Coca-Cola

グローバルブランドランキングにおいて、2022年は7位でしたが、
実はAppleが1位になる前、13年連続1位だったのが、Coca-Colaです。

私がブランドに興味を持ったのも、これがきっかけでした。

「何故、100円程度の商品が世界のブランドで1位になり続けられるのか?」
「何故、日本の高額な製造機器メーカーはCoca-Colaに勝てないのか?」
という疑問です。

Coca-Colaが世界の各国に発信しているメッセージは
Open Happiness
です。
(日本ではあまりなじみがないですね。これも日本がブランディングにおいて
海外から離されている一つの象徴かもしれません)

このメッセージを開発したのが、実は自分も所属していた
グローバル最大手グループの広告会社なのですが、
キャンペーンにおいて、各国で任されている広告会社はまちまちです。

Coca-Colaはグローバル共通のメッセージを掲げながら、
その具体的な中身は、各国の文化やテンションに合わせて制作していることになります。

これが、低価格にもかかわらずグローバルトップの価値を創造し続けることができた
ポイントではないかと考えています。

その一例として、上記広告会社が担当した
「Hug Me Machine」をご紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=-A-7H4aOhq0
日本のCMや動画とは、やはり違う印象を持たれるのではないかと思いますが、
実際こちらは広告動画として、 当時異例の視聴回数2億回をたたき出しました。

 

3.Amazon

そして最後にご紹介する事例がAmazonです。

グローバルブランドランキングでは堂々の3位です。

Amazonの場合は、ブランドメッセージやキャンペーン動画ではなく
「企業のビジョン」にポイントがあります。

ビジョンは
地球上で最もお客様を大切にする企業であること
です。

そして、売上的には年々激増しているにもかかわらず、利益は非常に少ないままです。

この理由としては、
実際に出た利益を、顧客満足を向上させるためにつぎ込んでいる
(レコメンドエンジンのサービス向上など)」
という話があります。

もしそれが本当であれば、
ビジョンと企業活動が見事に一致している
と言えます。
驚くべき程、シンプルな話ですよね。

如何でしたか?

このように上記グローバル・トップブランド達は、
実に一貫したメッセージを訴求し、且つ行動し続けていると言えます。

日本において、ここまでわかりやすく価値を提供している会社は
なかなかお目にかかれません。

そして、これがグローバルでトップに居続けられる大きな要因であると考えています。

ということで、
次回は、グローバルブランディング全体のこの10年程の潮流について、
世界3大広告賞の一つである「カンヌライオンズ」の観点から考察します。
次回もお楽しみに!

著者プロフィール

山崎 浩人 Hiroto Yamazaki
・一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会
/アドバイザー
・株式会社CARTA COMMUNICATIONS
/ブランド・コンサルタント

マス広告・CRM・モバイル・クロスメディアと
常に最先端のマーケティングを開拓。
通信業界x広告業界でモバイルキャリアレップCEO。
広告業界x放送業界でクロスメディア事業者CEO。
東日本大震災をきっかけにプレイヤーへ復帰。
世界最大手外資広告グループ会社に5年在籍。
日本自動車メーカー8社共同プロジェクト
「Drive Japan」の総合プロデューサーとして2012年Web人 of the yearを受賞。
大企業中心にブランド、グローバル、デジタルと様々な戦略コンサルティングを手掛ける。
業界等のイベント登壇、講演、記事、インタビュー、多数。

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