人は、相容れない2つの認知や考え方、意見を抱えた時、
心理的にアンバランスな状態となる。
例えば、自分が選んだ美容室で、新しいヘアスタイルにし、
自分自身、概ね気に入っているとしよう。
それを友人に褒めてもらっている時は、
アンバランスな状態にはならない。
だが、もし友人にケチをつけられたとしたらどうだろうか?
良いと思っている自分と、ケチをつける他人。
この2つの正反対の意見が頭の中を駆け巡る。
こうした状態の人の心理を『認知的不協和』と言い、
これにより不快感の緊張が生じる。
この緊張を和らげようと人は
『認知的不協和』の状態を解消しようとするのだが、
いったい何を行なうのか?
それは、自己正当化である。
自分の決定が間違っているとは認めたくないので、
プラスの情報を強調し、マイナスの情報はできるだけ省く。
場合によっては、真実から目をそむけたりもするのである。
このように一度決めたことを自己正当化しようとする心の動きを
『認知的不協和の解消』と言う。
なお、こうした心理に陥ることは、
購買行動の場面だけに限らない。