『ミクロ・マーケティング』とは、マクロ・マーケティングの反意語として
1970年代に頻繁に使われていた言葉である。
マクロ・マーケティングとは、社会経済システム全体の立場から
マーケティングを捉え、消費者ニーズの充足と、社会的利益の調和のために、
資源配分・需給調整・流通チャネル選択などのマクロ政策を実行し、
マーケティング活動を管理していくこと。
これに対して個別企業の立場からマーケティングを捉える考え方を、
『ミクロ・マーケティング』という。
通常、マーケティングの概念は、
企業や組織の存続と成長を目的としたものであり、
『ミクロ・マーケティング』の概念の1つといえる。
しかし、流通チャネルに関しては、
このようなミクロの立場だけで考えるものではないようだ。
なぜなら、流通の概念には、物資の安定供給や価格の安定といった、
マクロ的、社会政策的、社会厚生的な意義が多分に含まれている。
このように、社会厚生的な意義を高める方向で流通を考えていくことは、
マクロ・マーケティングとして分類される。
このことからも、これからは『ミクロ・マーケティング』であっても、
マクロ・マーケティング的概念である社会貢献を意識しながら、
地域貢献などを含めたマーケティング活動を行なっていく必要がある。
だが、私たちは、これらの必要性を経験的に知っている。
そもそも社会から疎外されてしまっては、
マーケティングの最終目的である
「企業や組織の存続と成長」に近づけなくなるからだ。
ゆえにこれからは、勝ち残るとか生き残るという
「競争」を強く意識するのではなく、
「共生」を意識する時代になっていくのだろう。
私としては、世の中全体が、このような方向に
シフトしていくことを願いたい。