年頭挨拶内容 ※かなり長文です

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ブログを見に来られた方、明けましておめでとうございます。
いつもありがとうございます。
本年が素晴らしい一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。

さて、当社仕事初めは、1月7日(月)からでした。
この日の朝、朝礼で社員が集まった場で、年頭挨拶をしました。
その内容を、記載しようと思います。

なぜ、このような長文の年頭挨拶をブログに記載することにしたかといいますと、
挨拶の後の一両日中に、このような話はもっと聞きたいし、
なかには毎月このような話して欲しいなど、多くの意見をもらいました。
年頭挨拶の内容をモチーフに、社員同士が話し合っていることも聞きました。

このブログは、当サイトのなかでも、アクセスが多いページのようなので、
ステークホルダーの皆さまにも共有しておきたいと考え、
かなりの長文ですが、記載することにしました。

※特定できる氏名や、数字などは伏せた。
※多少言い回しは変えている。
※BM協会=一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会
※SED=セールスエンジニアリングデザイン(レスポンス広告表現手法)

↓これ以降、2019年 年頭挨拶文↓

新年あけましておめでとうございます。

9日間の年末年始休暇でしたので、
みなさんとお会いするのは、久しぶりといった感じですね。

今日は、簡潔に新年の挨拶をしようかとも考えていたのですが、
年末に共有した中期事業計画の前後で、それにまつわる対話があったり、
質問があったりしているなかで、私自身の想いや、
言い忘れていたことなどもあり、少し付け加えておく必要を感じました。

そこで、年末年始の休み中に忘れないよう言語化していたら、かなり長くなったので、
それを削るなどして少しまとめてきたので、メモを見ながら話したいと思います。

年末に共有した中期事業計画で最も大きなポイントは、
事業領域、ビジネスモデルを大幅に変えたということです。
当社設立27年で最も大きな変革だと思っています。

その変革の象徴として挙げられることとして、
当社のコア領域であったクリエイティブ部門を
アウトソーシング化するという経営判断をしたことです。

クリエイティブ部門の社員は多い時は10名以上いて、2年前ですら6名いました。

それが現在、〇〇君だけとなり、その〇〇君も、来年度から業務委託者に移行します。

年末には、あっさりとしか伝えていなかったので、
私の想いも含めて、改めて伝えておきたいと思います。

〇〇君は、本当に優秀なクリエイターです。
とくに販促物のデザインを対応するデザイナーとして、
彼より優秀なデザイナーを私は知りません。

〇〇君が、10年前に一度退職して、その後戻ってきた時のことです。
あるパンフレットのデザインを担当してもらいました。
1年ぶりに改めて〇〇君のデザインの仕上がりを見た時には、
ゾクッとするなんともいえない感覚があったのを覚えています。
とくにかく、カッコいいんです。
SED的にはきれいとか、カッコいいという表現は×ですけど・・・。

でもそれから10年後の今、そんな〇〇君の能力をイズの社員としては、
活かしきれない方向になってしまいました。
〇〇君は事前に、それを察したのか、昨年夏頃に自ら独立する旨を私に伝えてきました。
私は、社員として留まってもらうことを伝えることは、正直できませんでした。
伝えられたのは、イズの仕事を引き続き協力してもらうお願いをすることでした。

改めて、〇〇君、3月からは立場は変わるけど、これからもよろしくお願いします。

このような、数年前までコアだった事業領域が、
あっという間に変わらざるを得ないといった話しを、経営者仲間から聞くことがあります。
当社もコアだったクリエイティブ部門をなくすという選択をすることになるとは、
数年前には想像できませんでした。

というのも、8年半前にレスポンス広告の本を出版した直後は、
今では考えられない程の仕事のオファーをもらいました。
ほぼ毎日のように、引き合いの問い合わせがありました。

また、12~13年前からSEDのセミナーを頻繁に開催していた時の受講者や、
当時の顧客の大半が、BM協会の講座を受講したり、トレーナーになったり、
ブランディング支援の顧客となりました。
〇〇様、〇〇様、〇〇様、〇〇様など、数えたらきりがありません。

あれほどまでにニーズがあったSEDという販促領域の概念ですら、
10年も持たなかったということを振り返ると、
BM協会を展開してきたコンセプトですら、あと数年で頭打ちになるとも思っています。

なぜ、そう思うかというと、
マーケティング手法は、流行りものなのでしょう。
変化するか、付加価値を何か付けないと、廃れていくのです。

業態もそうです。有名な例で言うと、富士フィルム。
デジカメの普及によって、フィルムそのものがなくなる。
そのデジカメだって、スマホの普及によって、プロ仕様以外では今後は危ないでしょう。

あるヘルスケアメーカーのクライアントが今、一番脅威に感じていることは何かというと、
ある商品カテゴリーが事業の柱で業界最大のシェアを占めているけど、
アップルなどが高性能な機能を持ち、このカテゴリーに参入してきたら、ひとたまりもないと言っています。
だから、そうなっても大丈夫なようなブランドを作りたいと。

このように、業態、業種がカテゴリーごと一瞬で、直接競合ではなく、
全く異なるカテゴリー商品群にとって替えられてしまうことは、いくらでもあるでしょう。

一瞬でなくても、ゆるやかに少なくなっていく業態もあります。
本屋が、この20年間で、半分になりました。
出版社は、この10年間で1/4が倒産か廃業です。
印刷会社全体の売上は、この10年で1/4減少しました。

当社自体もそうです。歴史を少し話しますけど、

※ホワイトボードの記載

1991~1994 3年間 写植屋 (製版会社も、この後すぐに電話帳からカテゴリーすらなくなる)
1994~1999 5年間 デザイン会社
1999~2005 6年間 広告制作会社
2005~   ダイレクトマーケティング(レスポンス広告)を取り入れる
2008~   BM協会
2010~   ブランディング支援 (コンサルティング含む)

あたり前のことだけど、結局、時代のニーズに求められるものしか、残らないし、発展しない。

業態の次に、マーケティング手法は、流行り廃りでいうと、
ダイレクトマーケティングは、もともとアメリカで流行っていたし、
日本でも大手通販会社は、1980年代頃から取り入れられていたところあるが、
中小企業のあらゆる業種に降りてきたのが、2002~2003年頃。

ブランディングが中小企業に降りておりてきたのは、たぶん3~4年前のことだと思う。

2006年頃に、日本経済新聞社主催のブランド・マネージャー養成講座として、
半年間の講座に私が通っていた頃、受講者は40人位いたが、
広告会社では、〇〇、〇〇と大手で、一般企業も大手で、
中小企業は、経営者でなくとも、私しかいなかった。

このように、2006年と、たった12年前はこのような状況だったのに、
ブランディングの概念は、今は中小企業でもその必要性は、それなりに顕在化してきているし、
BM協会と同じような競合団体がいくつも出てきている。

このことからも、ブランディングという切り口だけでは、
あと数年しか持たないと予想しています。

※成長曲線をホワイトボードに記載しながら

競合がたくさん出てきた時期は、成長期後半だから、
まもなく成熟期に入ることにより、価格競争に陥り、
その後衰退期に入ると思われます。
だから別の成長曲線を描かないといけない。

その別の成長曲線が、SDGsをはじめとした、
「社会価値による貢献」ではないかと考えている。

サスティナブルと、ブランディングは相性が良いということもある。
なぜなら、ブランディングは売れ続ける仕組みとも言われているので、
サスティナブル=いわゆる持続的成長と相性が抜群に良いから。

昨年末、〇〇の会議でも、このあたりの話しを共有しました。
その中の一人である 〇〇さんは、事前にこの話しは触れていなかったけど、
その少し前にSDGsカードゲームのセミナーに行ってきたようです。
さすが、意識が高いと改めて思いました。

そのセミナーでは、中小企業は自分一人だったということ、あとは大手企業か行政で、
〇〇業界の社長が参加されたことに、不思議がられたとのこと。

これは、私が12年前の2006年頃に通ったブランド・マネージャー養成講座と
同じ状態ですよね。

だから、この成長曲線の構造を考えると、
持続可能な開発目標という社会貢献の一つの概念は、
あと数年で、中小企業では、当たり前のように浸透している。
2030年目標なので、その頃までには、既にSDGs 以外で新たな概念が出てくるでしょう。

このように、概念は一定期間で変わるので、今回の事業計画は、
中期であって、長期ではないのです。

事業領域、ビジネスモデル、戦略は、これからも変えていく必要があるでしょう。

でも、変える必要がない。むしろ変えるべきではないものもある。

それは理念。

そもそもイズの理念の骨格は、15年位前に作成したと記憶していますが、
その頃とは、多少言い回しは変わっているかもしれませんが、
骨子は、変わっていません。

例えば、
「成長を喜びとする」
「精神的にも経済的にも豊かになる」
「感謝、尊敬しあう企業文化を育む」
「最高の技術と、最良の品質を提供する」
「社会に貢献する」

これは変わっていない。

この理念が、イズの経営目的であり、
私が、「なぜ、この会社をやっているのか?」の答えだからです。

改めて、そのことを伝えておきたいと思いますが、
それを前提に、年末に社員から質問があったので、
それに答えたいと思います。

—————————————————————-

本日の中期事業計画の説明会において、質問したいことが3つあります。

1. この計画を実行した結果、会社はどうなるのか?
2. この計画を実行した結果、自分たちはどうなるのか?
3. この計画を実行し、社長自身がどうなりたいのか?

—————————————————————-

この質問は、とても、素晴らしい質問だと思います。

この3つの答えは、とてもシンプルです。

1. の答え。
→ 理念の実現により近づく。

2. の答え。
→ 理念の1つでもある「成長を喜びとして、精神的にも経済的にも豊かになる。」

3. の答え。
→ 理念の実現により近づき、私が引退した後でも、
例えば、100年後も、この理念の実現を目指している会社でいて欲しい。
そのような願望というよりは、祈りに近いものを持っています。

もう一つの質問です。

—————————————————————-

協会は、売上、利益重視ではなく、公益的であるべきではないか?
常に拡大路線で行くと、公益性のある団体に見えなくなる。

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これに対しても、答えておきたいと思います。
公益社団法人である〇〇という団体があります。
そこに〇〇さんという若いけど優秀な教育支援部門の責任者がいます。
彼とは、10年近く前からの知り合いで、彼から聞いた生の話しです。

〇〇の収益の柱は、大きく3つあって、
資格制度、法人会員制度、イベント & 研修
とのことです。

その販売方法は、とても泥臭く、イベントや研修などに集客する際には、
まずは、DMなどを送付して、反応が悪いと、数名で電話をかけまくって営業しています。

これは販売の話だけではなく、企画に関しても同じです。
必ず収益を出すためのイベント設計し、スポンサーを募り、
そのスポンサー獲得営業には、大手に人脈なしでも直接アポ取りにいきます。

講座やイベントに来た人には、法人会員になってもらうよう営業もかけているし、
ストックビジネスにつなげている。
コンサルティングや研修の提供に関しても、まさに、提案営業で、
プレゼンと交渉を何度も繰り返し、粘りに粘って案件化する営業スタイルです。

何が言いたいかと言うと、
BM協会のように「一般」ではなく、「公益」団体ですら、
このように、収益を挙げるためには、積極的にかつ必死に営業活動を展開しているのです。
行政や政府外郭団体のように、基本、税金で成り立っている団体であれば別だけど、
そうでなければ、収益を挙げる必要があるので、営業・販売活動は、当たり前のことです。

利益を出そうということは、恥ずかしいことでもないし、
社会貢献性を強くすることは、利益をたくさん出してはいけないということでもない。
利益を出すことは、善であって、少なくとも悪ではない。
利益を出さないことは、悪でしかない。
利益を出し続けるためには、現状維持するという発想では、必ず立ちいかなくなる。
だから、成長させ、拡大していく必要がある。

方針でも伝えた、CSVという考え方が、まさにそのもの。

私たちがコンサルティングや教育事業として支援しているブランディングだって、
まさに、最終的な企業の売上・収益につなげてもらうための営みです。
その本質は、社会貢献が先ではなく、収益を挙げることが先。

でないと、企業・組織は、そもそも存続しない。
社会貢献が先になってしまうと、上手くいかない。

収益を挙げる活動をして、実際に収益を挙げ、ただそれだけでは、
選ばれる企業・団体にはなれないから、社会的価値を挙げていく。
そのために、何かをするのか? それが問われているということ。

そもそも、企業の目的は利益を挙げることだから。

ということで、
「BM協会は、もっと公益的であるべきではないか?」
という質問には、利益をしっかり挙げるために、
もっともっとエネルギーを割いてしかるべきだと思います。
その利益から、社会貢献を積極的に進めていくことが本来の順番だと思います。

以上が、新年度から始まる中期事業計画に関しての補足と、
みなさんからの回答の共有です。

(途中省略)

昨年末に共有した中期事業計画を元に、新年度のキックオフまでに、
各事業の予算数値を達成するための根拠と、
具体的行動(アクションプラン)をブレイクダウンしてもらいます。

ということで、長々となりましたが、今年もよろしくお願いします。

では、みなさんから、一言ずつで良いので、
今年の抱負をお願いします。

 

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