販促手法の種類-販売時点直接型2
価格訴求手法 (5) 均一価格【松竹梅】
前回(7/19のブログ)では、均一価格の手法の1つ「バンドル」を見てきた。
今回は、昔から、料亭や寿司屋などで使われてきた「松竹梅」という
均一価格の手法を見ていこう。
もともとは、「上中下」というランクを示す表現を避けて、
あえて「松竹梅」というランクを示さない表現を使ったのが、
現在に至っているようだ。
元来、ランクを示さない表現であるはずの「松竹梅」が、
その語順どおりの「上中下」という順序のイメージで
捉えられているのは皮肉なことだ。
多くの店が、「松(高価)」「竹(普通)」「梅(廉価)」という
語順で用いられている。
「松竹梅」は、選択肢を絞り、顧客に選びやすくする手法でもある。
人間の心理として、「上中下」の3つがあると、
中」を選択しやすいので、一番販売したい価格帯を「竹」に
設定することもある。
飲食店だけでなく、他の業界でもたくさん応用されている。
温泉旅館の宿泊プランの事例を次にあげてみよう。
松=満喫コース(マッサージや館内施設利用料金+宿泊代)、
竹=のんびりコース(飲み放題+宿泊代)、
梅=ゆったりコース(露天風呂利用料金+宿泊代)
このように、宿泊に付随する食事や風呂などのプランを変えたり、
本来はオプションとなるサービスをつけたりして、
利用料金の違いを設定する。
「バンドル」と同じく「松竹梅」も、
顧客単価を上げる手法として有効だろう。
※『この1冊ですべてわかる 販促手法の基本』
(岩本俊幸著/日本実業出版社) より抜粋
http://amzn.to/fyiah5