「デザインを言葉で語る」ことへの挑戦

勉強のイメージ

アートディレクターとして70歳を過ぎても現役として活躍し
「広告表現を科学する」「脳科学から広告・ブランド論を考察する」などの
著書を数多く持つ、山田理英(やまだりえい)先生が、
今年1月27日に急性心不全にて他界された。

山田先生は、20代の頃に、
日経広告賞、毎日デザイン通産大臣賞など、
数多くの広告賞を受賞していた。

このような広告賞を何度も何度も受賞したことで
山田先生は、若くして名が売れたデザイナーとなった。

しかし、受賞のたびにゲバ集団から
「デザインを言葉で語れ」と迫られていたそうだ。

そこで山田先生は、仕事には全く困らなかった立場であるにも関わらず、
「デザインを言葉で語れ」という提言に答えるために、
その後、10年ほど旅に出たのである。

理由はもちろん、宗教学、文化人類学、社会学、心理学、哲学など、
広告に関連するあらゆる学問を徹底的に学ぶためだ。

なかでも、「日本人には日本人の広告理論があるはず」と考え、
仏教を調べるために、インドやタイなどの仏教国を中心に旅をしたという。

その頃から40年以上かけて、こつこつと収集していた
もの凄い量の書籍や文献などが、山田先生宅にはある。

山田先生ご逝去の報を聞き、3月にご焼香に伺った際、奥様より

「山田が持っている本、岩本さんの会社で活用できるのであれば、
好きなだけ持っていってください。
もしよかったら、本棚も差し上げます。」

と、信じらないような大変ありがたいお言葉をいただいた。

お言葉に甘え、図々しくも本棚ごといただくことにした。

写真が、その書籍と本棚。

これらの書籍を見ると、
ところどころに線が引かれていたり、メモが書かれている。

これは、素晴らしいことだ。

古本屋などの評価では、書籍に線やメモが書かれていることは、
価値が下がることになるだろうが、今回は全く逆である。

なにせ、山田先生の思考プロセスを追うことができる。

そもそも、いただいたこれらの書籍は、
真剣に向き合わなければとても読めないような難しい内容、
かつどれも分厚い。

さすがに毎日とはいかないが、
これから一つ一つ紐といていこうと思う。

まずは30年前の本、「ユングの元型論」を見始めている。

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