浅草 入山煎餅(いりやませんべい) -その2

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前回より続く
http://www.koukoku-ya.jp/blog/2009/09/post-287.php#more

「ブランド再生」という考え方がある。

「消費者の心の中でニーズが発生したとき
ブランドを思い起こすこと」である。

例えば、のどが渇きミネラルウォーターを
飲みたくなった時に、
「どのミネラルウォーターのブランドを思い起こすか?」が
これにあたる。

入山煎餅いりやませんべい)における
私にとっての「ブランド再生」とは、
「煎餅」、「和菓子」の枠にとどまらず、
東京で生まれ育った人間が地方へ持っていく
「お土産」というカテゴリーで、
最初に思い起こすブランドにまでなっている。

入山煎餅をブランド戦略の観点から、
もう少し踏み込んで考えてみたいと思う。

消費者にとってブランドのメリットの1つに、
「価値の獲得」があり、その価値には、
機能的価値と情緒的価値がある。

入山煎餅の機能的価値は、味や形だ。

「天日で3日間干し、自然乾燥で甘みを十分に引き出した生地を、
紀州の備長炭で焼いており、形はきれいとはいえないデコボコだが、
意外に歯ごたえはもっちりとしている。
しっかり醤油がしみこんでいて、シンプルな味。
とにかく美味しい」ということである。

では、情緒的価値とは何だろうか?

情緒的価値は人それぞれかと思うが、
私にとっては、次のお土産にした時に、その価値が上がる。

お土産を渡す時に「この入山煎餅は創業が大正3年と、
100年近い老舗で、堅焼き醤油味一種類のみしか売っていない
煎餅屋さんです」。

続けて
「店先から奥に細長く炭焼きのいろりがあり、
頑固そうな職人さん数名があぐらを組み、
時に汗を拭きながら、ひたすら煎餅を焼き続けているんですよ」。

さらに、
「職人が焼いているので、
一日の販売量が決まっているから買いに行っても、
売り切れていることが多々あるんです」。

このようなことを、お世話になっている人や
大切な人にお土産を渡す時に、語れるのである。

お土産にした時の価値は、こうして膨らむ。

このように、顧客にとって語ることができる
ストーリーのための要素を築くことができれば、
リピート促進はもとより、口コミで広がりやすくなるだろう。

一考してみたいところだ。

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