ブランド戦略に関わっていると、
独自性や差別化が欠かせない大切な経営戦略の1つだと、
考えるようになるものです。
その意味でいえば、模倣とは独自性や差別化の正反対を
向いているようにみえます。
ですが、模倣には、「良い模倣」と「悪い模倣」があり、
想像的で革新的な経営を生み出すのは、あくまでも「良い模倣」であり、
「悪い模倣」は、他社との差別化を破壊し、自殺行為的な結果をもたらします。
本書は、このことに深く考察されていて、
商品・サービスレベルの模倣ではなく、仕組みレベルの模倣について、
興味深い事例を数多く解説されています。
モデリングやベンチマークなどとも言われますが、
以前、私は、仕組みレベルの模倣のことを「構造を真似る」と、
ある経営コンサルタントから教えてもらったことがあります。
まさに仕組みレベルの模倣が大事ということなのですが、
この模倣は、簡単ではありません。
表面的には理解しずらいですし、
抽象度を上げる思考も大切となります。
メタ認知能力が必要なのでしょう。
例えば、「バナナ」「半導体」「コンビニ弁当」「ファッションアパレル」の
4つのビジネスの共通点は何だと思いますか?
具体的なレベルでは、バラバラなビジネスですが、
抽象度を上げ、メタ認知で考えると見えてくることがあります。
さらに、本書では、模倣の革新性やリスクだけでなく、
「模倣の作法」として、内と外への観察力、洞察力、そして経験を
身に着けることの大切さにも触れているところが、
深い学びを得ることができると思いました。
300ページ以上の書籍ですが、とても読みやすく、
数時間で一気に読んでしまいました。
私自身、1つ大きな経営のヒントを得ることができました。
オススメです。