販促手法の種類-販売時点直接型6
店頭手法(2)「待ち時間」の活用
ヘアサロンやエステサロン、歯科医院では、
お客様が「予約した時間どおりに来たのに待たされる」という不満を
もつことがしばしばある。
もちろん、待たせないように対応することが最も重要な解決策だが、
この待ち時間の不満を解消しながら、
販売促進の機能をもたせることも不可能ではない。
たとえば、お客様が待ち時間に読めるマンガを置くことは方法の一つである。
ありきたりのマンガを置くのではなく、
来店するお客様の層に合わせた人気作品を揃えるのがポイントだ。
お客様のリクエストに応じて、
一定期間でマンガを入れ替えるレンタルサービスを利用するところもある。
このような施策によって、待ち時間の不満を解消するどころか、
来店するのが楽しみになったというお客様は少なくないのだ。
ここから、顧客満足度を上げ、リピート率のアップや、
口コミによる紹介のアップにつなげることもできる。
また、待合室などにさりげなく見てもらえるPOPを準備することによって、
販売促進の効果を上げることも可能だろう。
宮崎大学病院では、外来棟の待合室で、
ゲーム機(ニンテンドーDS)持参の来院患者を対象に、
医療関連情報の提供やアンケートの実施を予定している。
病院施設の案内や、医療関連のコンテンツの配信は、
来院患者の待ち時間を活用したサービスの一つといえる。
デジタル世代の子どもたちをターゲットにした新しい方法だ。
ただし、このような独特な方法は、利用できる人が限られてしまうため、
前述のマンガのような利用者を限定しない方法との併用が望まれる。
※『この1冊ですべてわかる 販促手法の基本』
(岩本俊幸著/日本実業出版社) より抜粋