「広告賞を競うことは狂気である。
広告を正当化する唯一の理由は販売である。」
デイヴィッド・オグルビー氏が
繰り返しているメッセージである。
オグルビー氏は、今から40年以上も前に、
当時、アメリカの広告界の「危険な病気」である
「広告賞の追求」に警鐘を鳴らした。
「危険な病気」とは、
コピーライターもデザイナーも売ることを忘れ、
自分達の才能をエンタテイメント、芸術的な思考に捧げたからである。
不幸なことに、
当時の広告賞を授賞したキャンペーンのほとんどは、
販売に大きく貢献するように成功したことが滅多になく、
販売を下降させることすらあった。
オグルビー氏は、
この「広告賞の追求」という狂気に驚いて、
自社が広告賞を競うことをやめた。
かわりに、
クライアントの販売を最も増大させた
キャンペーンを生んだクリエイターに、
現金褒章を与えた。
今の日本でも同じことが言えるのではないだろうか…。
この「広告界の病気」を
目の当たりにした経験が私にもある。
(明日に続く…。)