販促手法の種類-販売時点直接型5
制度手法-Part2【メンバーシップ制度】
メンバーシップ制度は、会員組織をつくることでもある。
店舗の場合は、その店の購入者を組織化し、
購入頻度、来店頻度を上げる目的で行われる。
メーカーの場合は、ある特定のブランドの購入者を組織化し、
次の購買に結びつけるか、または見込み客を組織化して、
その商品・サービスの購入を誘導する目的で行なわれる。
組織化する対象の違いから、次のバリエーションがある。
[1]見込み客の組織化
商品購入を検討している見込み客に入会してもらい、
商品情報や関連する情報を提供する。
情報面で、見込み客への接触を密にし、
親近感を高めることや購買タイミングに機会の創出など、
商品・サービスの購入へ有利な判断を引き出す。
インターネット通販などにおいて、ホームページ会員を募り、
メールマガジンやキャンペーン情報の提供を行なう手法。
[2]既存客の組織化
商品・サービスの継続購入だけでなく、より多くの商品購入、
あるいはワンランク上の商品購入への移行を促進する。
また、コア・ユーザーとの接触頻度を増やすことで、
商品購入の促進だけでなく、ブランドに対する
よい評価者・推奨者というファンを育てることもできる。
インターネットやカタログ通販などのクラブ会員などが当てはまる。
既存客の顧客単価アップの促進において効果が期待できる。
多くの場合、会員に向けて、定期的に機関誌やメールマガジンなどを
発行し、年に数回のイベントや展示会などを行なう。
また、割引特典会員として登録し、前回紹介したポイント制度を
展開する場合も少なくない。
なお、定期宅配制度は、メンバーシップ制度を応用した手法といえるだろう。
ご存知のように、新聞や雑誌が最も代表的な定期宅配制度となる。
食品や化粧品など、一般消費財を扱う通信販売業でも、
顧客が注文する手間が省ける利点があることから、
定期的に商品を届ける制度として、定期宅配制度が活用されている。
定期宅配制度には、ある一定の商品を定期的に宅配するケースと、
顧客が支払う価格に応じて、ある一定のカテゴリーの中で、
顧客にとって必要性が高く、付加価値のある商品のバリエーションとして
宅配するケースがある。
たとえば、ワイン好きの顧客から、月額一定の会費をもらい、
「ソムリエが選んだ厳選ワイン」とうたい、会費以上の価値の
ワインを厳選し、毎月宅配するという例も見られる。
その他、メンバーシップ制度には、購買回数や来店頻度によって
会員のランク自体が上がっていく手法もある。