仮説創造力による顧客提供価値の設計

最近、毎日のようにテレビやヤフーニュースで日産自動車の会長カルロス・ゴーンの話題を目にします。フランスのルノー社が日産社の株保有率を上げて経営実権を云々と、色々言われておりますが、私がビックリしたのが彼の所得額の方です。50億とか100億とか・・・。実は、皆さんも一緒では?桁が違い過ぎて、想像がつきません。私は、今日のお昼は富士そばにしようか?それとも丸亀製麺にしようか?と、限られたお小遣いの中から考えているので、ほど遠い話です(笑)ともあれ、日産にお勤めの方々は、心休まらない日々が続くかと思いますが、フランスに負けることなくイニシアチブを握って欲しいな~と思う次第です。こんな時こそ、“やっちゃえ、日産!”と、声援を送りたいです(笑)

さて、今回のコラムですが、私がコンサルティングでよく使う用語「仮説創造力」の有用性について書きたいと思います。仮説創造力とは、読んで字のごとく「仮説を創造する能力」のことで、私が勝手に作って使っている造語です。特に、戦略構築の際には発揮させるべき重要なコンセプチュアルスキルの一つで、以前のコラム「論理の落とし穴」でも少し説明しましたが、意図するものは「仮説」がサイエンスで「創造」がアートとなる部分です。仮説は、論理の積み重ねで類推し立ててゆくものですが、創造はその方個人の自由裁量で好きな絵が描ける範疇です。こう言うと響きは良いのですが、案外この「創造」することは簡単の様で難しいのが現実です。とくにビジネス上の戦略を組むとなると、なかなかできないのが現実かと思われます。

「風吹けば桶屋が儲かる」理論

日本語のことわざに、「風吹けば桶屋が儲かる」があります。ご存じの方も多いと思いますが、改めて、なぜ風が吹くと桶屋が儲かるか、お解りでしょうか?意味はご存じかも知れませんが、しかし、どのように「風」から「桶屋」に結び付くのか改めて説明をするとなると、お解りでない方も多いのではないでしょうか。
まず意味は、「一見,関係のないところに因果関係があることを示す言葉」と、あります。
そして、「風」から「桶屋」までの流れが、下記のようになります。
風が吹く➡すると砂が舞い上がる➡すると、砂が人の目に入り➡目が悪くなる人が増える(⇒盲目となる)➡そのため三味線弾きで生計を立てる人が増える➡そのため三味線が売れる➡三味線には猫の皮が必要➡だから猫が捕られる➡それによってネズミが増える➡ネズミは桶をかじる➡桶に穴が開いてしまい、新しい桶が必要だから購入する。したがって,風が吹けば桶屋がもうかる。という論理です。
「風」から「桶屋」に繋がるまで、これだけ多くのシナリオが事象間に入っています。では、これを自社の商品に置き換えて、シナリオ作りを考えるとなると、どうでしょう?

シナリオ作り(創り)を補完する「不の解消」フレーム

この「風桶」の論理は、顧客提供価値を仮説創造するのにとても似た考え方です。つまり、「風」という原因があり、その結果「桶屋」が儲かった。このような因果関係を仮説創造してゆくことにポイントがあります。自社の商品を「桶」とし、この桶を欲しいと思われる原因が何か?直接的要因は「ネズミにかじられた」ことでしょう。しかし、なぜネズミにかじられたのか?と、帰納して行くことで顧客のニーズが見えてきます。さらに、その側面にある本質的な便益を探ることのできるフレームに「不の解消」があります。これは、顧客の考える不満を炙り出すフレームです。

次回、この続きを書き進めますが、もしこの顧客提供価値創造のメカニズムを仮説創造力で体現しご自身のスキルとして体得したいと思う方は、是非私が講師となって登壇します「自立自走型営業パーソン育成講座」にご参加ください。

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これが身に着けば、顧客との共通価値創造(CSV)も容易となります。ぜひ、お申し込みください。

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