厚労省所管の「生産性向上支援訓練」~「自立自走型営業パーソン育成講座」について~

弊社はブランディングの仕事を受託している一方で、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会(以下、協会)の運営も行っております。協会はブランディングの教育機関であり、月に数回講座を開催するほか、シンポジウムを始めとするイベントも行っております。私自身も株式会社イズアソシエイツのコンサルタントである一方、協会のディレクターでもあります。今回は、その協会に関する話です。

厚労省所管「生産性向上支援訓練」

今年7月、協会は「生産性向上支援訓練」を企画・実施する団体として認定されました。
「生産性向上支援訓練」(以下、同訓練)というとなんだか堅苦しい名前ですが、手短にまとめると、「企業などの生産性向上を支援するための公的なセミナー」です。厚生労働省の外郭団体である、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(略称:JEED)が取りまとめています(※)。機構の名称とは裏腹に、「在職者」を対象とした制度であり、高齢または障害者である必要はありません。若干ややこしい話です。

この認定を受けることができたのは、協会のこれまでの教育実績が公的機関に評価されたということですから、たいへん喜ばしいことです。10月にはさらにセミナーのカリキュラムに関する審査を通過し、11月から実際に同訓練を開催しております。セミナーのタイトルは「自立自走型営業パーソン育成講座」です。

「自立自走型営業パーソン育成講座」特設ページ
https://www.brand-mgr.org/jeed/

「自立自走型営業パーソン育成講座」開催の趣旨

営業、ブランディング、マーケティングを2日間で効率的に学べるセミナーです。これらのスキルを身につければ、結果的に「自立自走型営業」をするための基盤ができる、というものです。カリキュラムはJEEDが定めた標準カリキュラムモデルにのっとっています。そして、一般的な営業やマーケティングの研修と異なる特徴は、「営業のパーソナル・ブランディング」を行うものである、という点です。

「顧客志向」、「お客さまのニーズが第一」とは言いながら、営業パーソンが「売るもの」は会社によって決まっています。そこが悩みどころでもあります。

「売るもの」とは何も形ある商品に限りません。サービス業でも、顧客ニーズに合わせて提案する企画営業の場合でも同様です。保険会社ではプリンターは売りませんし、デザイン事務所ではお菓子は売っていません。物販やサービス業など業態に応じて複雑さに違いはあれ、「売るもの」のカテゴリーや範囲はやはり会社によって決まっています。「売るもの」が限定されたなかで営業にどのような付加価値をつけたらいいのでしょうか。

質の高い提案営業は必須となってきていますが有効な解決策がなかなか見いだせていない、というのが現実です。これは営業専門職ではなくても、たとえば小規模な企業の経営者やデザイナーなど、ご自身で営業をする方にとっても同様です。

 

営業パーソンのパーソナル・ブランディング

そこで協会が出した回答が、「営業パーソンのパーソナル・ブランディング」です。パーソナル・ブランディングといっても容姿のことではありません。

営業の前工程であるマーケティングの知識を得れば、広い視野で現在の営業活動を見直すことができるでしょう。さらに、ブランディングの知識によって、提案に深みをもたせることができます。それは自分自身をもブランディングすることになります。具体的には、営業パーソン自身の強みを自社商品の情緒的価値の一つとすることで、商品を取り込んだ個人のパーソナルブランドを構築します。

協会にはすでに「パーソナル・ブランディング」のセミナーがありますが、こちらは主に士業、コンサルタントなどの個人で働く人を対象としたものです。会社に所属している個人、特に社外との主要な接点である営業パーソンには、別なカリキュラムが必要になるのではないか、という課題意識が協会にはかねてからありました。
今回のセミナーがその課題への一つの回答です。
そのような付加価値をつけた提案営業ができるよう、講義とワークを交えて設計されています。セミナーで得るものは、営業パーソンの「自立自走」の武器になると考えています。

 

※出典

生産性向上支援訓練(JEED)
http://www.jeed.or.jp/js/jigyonushi/d-2.html

参考:営業とブランディングの関係

協会顧問である田中教授(中央大ビジネススクール)は、営業パーソンが行うブランド関連活動を10種類に分類し、次のように述べています。

「営業とブランドとの関係とは、(1)営業がブランド価値を用いる局面と、(2)営業がブランド価値をサポートする局面との2つがあることがわかる。営業活動とブランド戦略とは実際に密接な関係にある」

スペース マーケティングのキーコンセプト(毎日新聞)
#92 営業とブランディング Sales and branding(田中 洋)
http://macs.mainichi.co.jp/space/web/092/marke.html

 

能藤 久幸

■ブランドコンサルタント/ブランディング・ディレクター

・京都大学理学部卒、同大学院修了【修士(理学)】

・桑沢デザイン研究所 デザイン専攻科ビジュアルデザインコース卒

・一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 ブランド・マネージャー1級

・一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー

秋田県出身。京都大学では物理学を学び、その後大手メーカーのシステムエンジニアを経てクリエイティブ業界に転身。論理的思考とクリエイティビティの両方を活かしたコンサルティングを得意とする。コンセプト開発、デザインのディレクションも行う。システムエンジニア時代に身に着けたプロジェクト管理のノウハウは、広告業界においてもディレクションに生かされている。ブランドコンサルティングにおいては、どんな分野の情報でも役に立つとの考えから、文学や歴史、文化人類学、社会学、美術やデザインなど、あらゆる知見を取り入れ、左脳と右脳をバランスよく使うことを心がけている。ライフスタイルに東洋医学や自然療法などを取り入れている。

最近の活動:特許庁のイベント「巡回特許庁 in 山口」にてブランディングと商標について講演(2018.09.27)https://www.jpo.go.jp/shoukai/soshiki/photo_gallery2018100501.html

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