わたしが大学院を出てからもう10年以上たちます。最近は大学という所にほとんど縁がありませんでしたが、さる2月9日久しぶりに大学に行ってきました。母校ではなく、知人が通っている大学院で、金沢工業大学という所です。そこで修士論文の公聴会を聴いてきました(簡単にいえば大学院の卒業論文発表会のようなものです)。といっても金沢まで行ったわけではなく、虎ノ門にもキャンパスがあり、都内では珍しく雪が降る中出かけてきました。
その知人というのが、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会(以下、同協会)のトレーナー資格をお持ちの方で、働きながら大学院に通い、MPIM(修士(知的財産マネジメント))の学位の取得を目指しているとのことでした。その方が同協会でブランディングを学んだのも、そもそも「知的財産の価値を最大化したい」という思いがあったからだそうです。今回も同じ思いから、知財に関する知見と技能をさらに高めるために大学院に通うことを決断されたそうで、感服しました。
実はこの金沢工業大学がなかなか面白いところで、第1回「ジャパンSDGsアワード」を受賞しています。大学の受賞は同大が初だそうです。
さてこの「SDGs」ですが、まだまだ一般の知名度は高いとはいえないので、若干ご説明しておこうと思います。SDGsは「持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals」の略です。端的にいうと、「2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標」です(※)。先進国を含めてすべての国が行動し、誰一人取り残さない社会を実現するため,貧困、飢餓、保健などに関する17個の目標を掲げています。金沢工業大はSDGsに特化した通年カリキュラムをもち、SDGs推進拠点を設置しており、その他いくつかの取り組みも含めて、SDGsの実現に寄与したと評価されたのでした。
ブランド・マネージャー認定協会は、ブランドを大手だけでなく中小企業にも普及させる、というよりも、中小企業にこそ必要であるという理念のもとに設立されました。これはSDGsの「誰一人として取り残さない」という包摂性の概念にも通じるところがあると考えています。9日の公聴会では、SDGsに関する研究を発表された方もおられ、前述の知人から紹介してもらいました。SDGsというと、まだまだ行政、学術機関、大手のものというイメージですが、近い将来中小企業にとっても当たり前のものになる可能性は十分にあります。これからもアンテナを張っていこうと思います。
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外務省 JAPAN SDGs Action Platform SDGsとは?
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

■ブランドコンサルタント/ブランディング・ディレクター
・京都大学理学部卒、同大学院修了【修士(理学)】
・桑沢デザイン研究所 デザイン専攻科ビジュアルデザインコース卒
・一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 ブランド・マネージャー1級
・一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー
秋田県出身。京都大学では物理学を学び、その後大手メーカーのシステムエンジニアを経てクリエイティブ業界に転身。論理的思考とクリエイティビティの両方を活かしたコンサルティングを得意とする。コンセプト開発、デザインのディレクションも行う。システムエンジニア時代に身に着けたプロジェクト管理のノウハウは、広告業界においてもディレクションに生かされている。ブランドコンサルティングにおいては、どんな分野の情報でも役に立つとの考えから、文学や歴史、文化人類学、社会学、美術やデザインなど、あらゆる知見を取り入れ、左脳と右脳をバランスよく使うことを心がけている。ライフスタイルに東洋医学や自然療法などを取り入れている。
最近の活動:特許庁のイベント「巡回特許庁 in 山口」にてブランディングと商標について講演(2018.09.27)https://www.jpo.go.jp/shoukai/soshiki/photo_gallery2018100501.html