先日ある大きなトラブルを起こしてしまった。
既に対処は終わっているが、今回のトラブルは、
賠償金まで派生するほどダメージが大きいトラブルになってしまった。
トラブルが起きたのは初めてのことではないが、
賠償金まで支払うことになったのは、
はっきりいって会社創立19年間で、初めてのできごとだ。
当事者はもちろん、会社としても深く反省しなければならないわけだが、
若干、腑に落ちない点もあるトラブルでもあった。
そのこともあり、今回は、現状認識をし、そして課題の把握をし、
最後に再発防止策を決めるというような、
トラブルが起きた時の対策として行われる
一般的なプロセスだけでは済まさなかった。
当事者と幹部を集めたミーティングでは、
次のように2つの質問を参加者全員に投げかけることにした。
1.今回のトラブルで「学んだこと」は何か?
2.この学びを「今後どのように活かす」のか?
この2つの質問を、まずは紙に書いてもらい、
その後、1人1人に発表してもらう。
いきなり1人1人順番に答えてもらうようなことはしない。
なぜなら、このように紙に書いてもらう行為自体が
大切なことだからだ。
紙に書くという行為を省いてしまうことにより、
前の人の意見に引っ張られたり、深く考えない習慣ができてしまう。
私の直感なのだが、今回のトラブルは、
品質管理に関係する問題解決だけでは済まされない、
大きな問題が潜んでいると感じていた。
この2つの質問に答えていくプロセスによって、
案の定、根深い問題が浮き彫りになってきた。
ここでは詳細は書けないが、
その問題とは、簡単に解決できる問題ではないことだけは確かで、
間違いなく長期戦になるだろう。
賠償金額は大きく、ダメージも大きかったが、
この根深い問題を関係者全員が意識できたことだけでも
収穫はあったのではないだろうか。
時間がかかっても、少しずつでも解決に向かわせたい。