経営パワーの危機

本

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3部作のなかで一番厚いのが本書
『経営パワーの危機 - 会社再建の企業変革ドラマ 』。

なんと500ページもある。

こちらも会社再建の企業変革のドラマであるが、

「V字回復の経営」にも出てくる

「商売の基本サイクル」

創る(開発)→作る(生産)→売る(販売)

の一連の流れを作ることが最大のポイントとなっている。

 

あまりにもあたりまえの「商売の基本サイクル」ではあるが、

会社が大きくなればなるほど、営業部、生産部、開発部のような
いわゆる機能別の組織では上手くいかなくなることがわかる。

なぜなら、このような「商売の基本サイクル」よりも、
社内の調整などにエネルギーが多く注がれるようになり、
顧客がおざなりになるからであろう。

一つ一つの商品・サービスに対して
このサイクルをいかに早く回していくことが大事かということだ。

このドラマでは、
これが改革コンセプトであり、組織改革にもなり、
まさに改革の肝となる。

このやり方が、いわゆるビジネスユニット制というものだ。

機能別組織で長年やってきた会社にとって、
ビジネスユニット制に変えていくことは、
例え会社がそれほど大きくなくとも
かなりの改革エネルギーが必要となる。

このビジネスユニット制の組織改革を
弊社でも数年前に実施していたことがある。

この改革を開始した次の年度の一番業績が良くなったことを
思い出した。

その後、機能別組織に変えてから、
また業績が悪くなってきたのである。

業績が悪くなったのは、これだけの問題ではないが…(汗)

さて、このドラマでは、このような意識改革のプロセスを
企業戦略のチェック・サイクルや戦略マップを使い、
わかりやすく説明してくれる。

この書籍で気づかされたこととして大きいことに、
次のようなことがある。

このような改革を推進していくと、
会社は本来の「らしさ」を失っていく…。

この「らしさ」は会社のプランドといってもいいかもしれない。

実際に弊社でも、今まさに改革を推進しているが、
この「らしさ」を失いかけつつあることに
この書籍を読み気づかされた。

以上、三枝 匡氏の骨太3部作をご紹介した。
じっくり読むことをオススメする。

 

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