プロモーション(広告・販売促進・PR)で必要なこととは?

スペシャルインタビューの第1弾は、
女性の視点で販売促進のプロモーションを企画・運営されている、グッドピーアールの石野洋子さんをゲストにお迎えし、弊社の代表取締役社長 岩本俊幸が第3話にわたり対談いたします。

第1話

販促ツール研究会で気づいた、ツール依存の傾向

司会

本日の座談会は特にテーマを設けずに、自由に発言していただこうと思っています。
さっそくですが、石野さんのコラムを読ませていただきました。なかなか興味深いテーマが書かれてありました。
その中からいくつかテーマを拾いますと、「自分をワクワクさせるコツ」、「ハートに火をつける付加価値」、「男と女の違い」、「キーマンに会う」といったのは面白いですね。

石野

メルマガで以前書いていた記事の中で、わりとヒットしていたものをピックアップして掲載したのです。

司会

その中の一つに、販促ツール研究会というのを開催されておられますが。

石野

今回はプレだったので10名くらいの人数でしたが、クリエイティブの講師も招き、コンサルティング要素もプラスアルファし、WEBの実例も見せながら、どうプロモーションをしたかを個々の商品を見せながら、リアリティのある事例紹介となったと思います。後は個別の対応も含めて進めたので、顧客満足度は高かったと思いますよ。

司会

販売促進研究会に参加されたお客様はどういう悩みや、どういう内容を聞きたがっていましたか?

石野

一番面白かったのは、コンサルティングの要素もあるカラーをテーマにしたワークショップを開いているお客様のケースですね。
その方はツールを作るよりも、ツールじゃないよねと。それは、体験型のワークショップなのでツールでお客様を呼ぶという考えで、そのためのツールを作ろうとしていたのですが、ツールを作ることで悩んでいる場合ではないという意見になりまして…。

まずは多くの方に体験してもらう機会を作らなければならないと。私たちはまずこの場を多く設けることにシフトするべきだと提言しましたら、その方の目がキラッとしました。
皆さんがツールというものにこだわり、ツールを作らなければならないと思っていること自体が実は間違いだったいうことですね。


『私はだれにふさわしいのか?』を考えることが大切。

司会

販促ツール研究会での、参加者の悩みはその他に何かありますか?

石野

皆さんの悩み・課題の一つが、岩本社長がよくおっしゃっている、「ブランドの強みを明確にすることが出来ない」、「自分たちの良さを追求するためのメッセージが決められない」というところが見られましたね。

司会

そのあたり、岩本社長はどうでしょうか?メッセージが決められなくて困っている方はいらっしゃいましたか?

岩本

難しい問題だねぇ…。どうですかね?石野さんは?

石野

自分たちのメッセージをプロのコピーライターに依頼する会社もありますが、良い悪いは別として、プロに依頼するより以前に自分たちのメッセージを持っているべきだと私は思います。その辺をどう表現して良いかが皆さんわからないのですね。

司会

お客様にわかってもらいたいということですよね?

石野

自分の商売は何ですか?ということを3分間でプレゼンテーションしていただいたのですが、その時点でダメなんですね。
自分たちの強みを明確に言えるメッセージが無いので、ツールに落とし込むことが出来ないんですよね。

岩本

ブランドステイトメントを立てる時に、『私は誰にとってふさわしいのか?』を考える必要があります。
そんな時、直ぐに皆さんは思い浮ばないんですよね。誰にとってふさわしいのかという発想が、そもそも無かったりするんですよ。我々も気をつけなければならないところですね。
勿論、お客様にとってのベネフィット、得する商品やサービスがあると思うのですが、顧客視点できっちり、一回でも考えることをしないとメッセージとしてはお客様には刺さらないと思いますね。軸がぶれてくるのではないでしょうか?

石野

ターゲットを絞るか絞らないかの部分も悩ましいことであると、皆さんがおしゃっていました。

司会

皆さんがそうなのですか?それは絞り切れない何かがあるのでしょうか?それともわからないのでしょうか?

石野

そうですね。今、既存にある事業のカテゴリーが、市場の中でどのポジションにあるのか?成熟している事業なのか?いないのか?はたまた、新規参入事業なのかによって違うと思いますが。ほとんどの事業というものは誰かが先に起業していると思いますので…。

その市場のどこのポジションを自社は狙っていくのか、他社との差別化を図り、独占市場となるのかを見極めないで事業を始めてしまっています。
『自分の顧客はどこにいるのか?』を明確にしなければメッセージも投げられないですよね。それが明確になっていないまま、漠然とメッセージを投げているのではないでしょうか?そこが一番、悪循環になっている入り口なのだろうと思います。

岩本

よく本の著者なんかは…。私には著作はありませんが、石野さんは本を書いていらっしゃるから良くおわかりかと思います。本を書くことは、まさにターゲットを明確にしなければなりませんよね?ある程度、本を書くこともマーケティングツールではないかと思うんですよ。一種の…。「誰か一人を思い浮かべて書くと良い」と言われていますね。広告も一緒だと思いますね。

ターゲットを想定する。まずはそれから。

司会

ターゲットを想定するということとは。

岩本

広告とかブランドの為のツールとかも同様ですが、まず、『誰に向かって』というターゲットを完全にイメージすること。
例えば、弊社でもワークショップなどのメニュー化を行う際に、「お付き合いしているクライアントのこの人」に向けて書こうと完全にイメージをします。
そうすることで伝わりやすいものが出来ますよね。一回ターゲットを絞る作業をしておくことで、そういう悩みをお持ちの方にも他の取り巻きの方にも伝わると思います。

石野

それは同感ですね。私も本を書く時はそうでした。必ずそうしていますね。

司会

ターゲットをイメージすることは、事業を行う上で前提条件に入っているものではないでしょうか?

石野

起業する時ですよね。本来はそれ有りきなのでしょうが…(笑)
例えば、事業のスタイル、創業するときのスタイルとして、一から組み立てていく経営者と、今まで勤めていた会社の仕事からの独立形態として、その会社から仕事を貰いながら始める創業者がいますよね。後者の経営者はあまりターゲットということを意識せずに事業を軌道に乗せることが出来てしまいます。だからわざわざ開拓する必要もありません。そこのところから事業が悪化する方もいますよね。

司会

今、プロモーションで悩まれている経営者というのは、わりとそういうケースになっているから(勉強会など)参加されるのですか?

石野

一つはそういうケースですね。他のケースの方は…。そうですねぇ…。
例えば、ある程度何らかの資格を取得して、その資格を基に起業した方。口コミや地域の中で事業を順調に行ってきて、自分で出来ることが一巡した。その後ですね…。
次に新しい戦略を持って事業展開しようと考える時、起業の時から上手く軌道に乗せたものだから、顧客の開拓をしてこなかった。その付けが回ってきて事業が悪化した経営者の方ですね。

岩本

今の話もそうですが、先程の話で思うのですが、経営者や経営陣はやりたいことを考えています。私もそうですが…。
結局は直感から入るわけですよ。市場調査なんてしません。ただ、マーケティングの発想で考えると、まずは直感が最初に無ければなりません。実際に直感があって、その後にマーケットインの発想を付けていかないと事業は出来ませんよね。最初にマーケットインの発想があって次に直感となるとなかなか難しいですよね。最初は直感で良いと思います。それで色々な事業を行ってきた経験で、お客様視線で常に考えることが出来るようになるのではないでしょうか。そういうことを常に心がけとしていると、その直感が非常にニーズやウォンツに合ったマーケティングの発想に繋がっていくのではないでしょうか。

司会

そうなった時にプロモーションの定義というか、経営者の方たちはプロモーションを図る時に一番何を押さえておかなければならないのでしょうか?

石野

それはその経営者が持っている考え方だと思います。予算ではなく、考え有りきだと思います。それは大企業と中小企業とでは違うと思いますが、大企業はある程度資本力もあり、人材もいます。最初から何か新しい事業を作り、起こそうとした時に予算が立てられますよね。会計上その時点でもう販売促進費は必然的に出来上がっているものなのです。会計上過去のフローが出来ていますからね。それに対して何の疑問も持たず、予算が組まれるわけです。

一方、中小企業や創業して間もない企業は、モノ創りやクリエイティブの部分にすごくお金をかけてしまい、それをどうやって売っていくかまでの予算が取れていないのではないでしょうか。それがプロモーションを後手に回してしまうところだなぁと、今までにお付き合いさせていただいた会社や私どもの会社も含めてですが、思うところですね。
昔はそれでもモノは売れていたと思いますが、今はどうやって売っていくかをまず最初に考える必要があります。もちろん良いモノやサービスがあってもクオリティの高いところからスタートして、基準を下げないでそこから次に「どうやって付加価値を付けていくのか」というところが、プロモーションのポイントとなると思います。そこを考えられるプラスアルファの思考の経営者が残っていくのではないかと思っています。

 

 >> つづきは【第2話】へ


 

バックナンバー

【第1弾】 プロモーション(広告・販促・PR)で必要なことは?
グッドピーアール 統括プロデューサー 石野 洋子 氏


 

【第2弾】これからも中小企業は映像の時代なのでは?
株式会社オーエン 総合プロデューサー 東 浩司 氏


 

【第3弾】顧客視点を極めるプロセスとは?
有限会社GMJコンサルティングサービス 小野 裕子 氏


 

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