ブランディング基礎

ブランド構築における「セグメンテーション」と「ターゲティング」の考え方!

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セグメンテーションとターゲティング

ブランディングや新商品の企画において、それを誰に買ってもらいたいか、当然のようにターゲットの設定をすることがあると思います。その際、ターゲットは広すぎても、最初から絞りすぎても正解ではありません。 そこで今回は、ターゲットを見つけるのに必要な考え方であるセグメンテーションとターゲティングについて解説します。

フィリップ・コトラーが提唱したSTPマーケティング

経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱したSTPマーケティング。「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の頭文字からつけられています。 STPマーケティングでは、セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニングという順番で行うことで、ターゲットの選定と、ターゲットに対しての自社やブランドの立ち位置を見つけることができます。 それでは、セグメンテーションとターゲティングについて詳しく見ていきます。

セグメンテーションの考え方

セグメンテーションとは、セグメント(固まり)に分けることであり、市場細分化のことを言います。ブランド構築においては、3C分析を行って「顧客のニーズを満たし、かつ競合が参入できない領域」を見つけ、それが実際の市場のどの部分にあてはまるのかを、セグメント(市場を細分化)していきます。

セグメント図

ブランド・マネージャー認定協会では、こう定義しています。

すべての消費者の中から、その製品・サービスを買う「見込み」がある層を抽出するのです。この選定プロセスを「セグメンテーション」と言い、「ターゲティング」の準備段階となります。

(出典:「社員をホンキにさせるブランド構築法」同文舘出版

セグメンテーションの考え方

セグメントの考え方は以下のようにまとめることができます。

基本セグメント

多くの事業や製品、サービスにおいて共通して関連があるテーマ。 例)年齢、性別、職業、住居地域、家族構成、年収、趣味、情報収集の方法…など

固有のセグメント

対象の事業、製品、サービス固有のテーマ。 例)1ヵ月当たりの食費、年間の旅行回数、外食の頻度、食事の好み…など そして、以下のようにセグメンテーションの基本的な要素は大きく8つです。

8つの要素
(出典:「社員をホンキにさせるブランド構築法」同文舘出版

セグメンテーションを行う際のポイントとしては、自社のサービスの市場を、顧客の視点から複数のテーマで細分化することです。そして、この時点では、ターゲティングを行ってはいけません。セグメンテーションの目的は市場の細分化にあるため、どんな「分け方」ができるかを考えることに専念しましょう。 セグメンテーションを行い、市場を細分化できたら、ターゲティングを進めていきます。

ターゲティングとは

ターゲティングとは、セグメンテーションによって細分化した市場から見込み客の属性を選定し、自社の事業または製品・サービスの対象とする顧客=見込み客を絞り込むことです。

(出典:「社員をホンキにさせるブランド構築法」同文舘出版
ターゲティング

ターゲティングでは、属性を絞ることで、より具体的な顧客が見えてきます。ターゲットを選ぶ際は、対象となるセグメントが魅力的であるか、自社と親和性が高いかどうかを基準にします。下記はセグメンテーションで設定したテーマからターゲットとなる顧客の属性を決めた例です。

ターゲティング
(出典:「社員をホンキにさせるブランド構築法」同文舘出版

ブランド構築においては、ターゲティングが終わったら、より詳細な顧客として、架空の人物像であるペルソナ作成へと進んでいきます。

活用されているセグメンテーションの考え方

セグメンテーションの考え方は、ブランド構築だけでなく、広告の運用でも使われています。最近だとFacebook広告が有名です。Facebook広告では、Facebookユーザーに対して細かくセグメントを分けてWeb広告を配信することができ、費用対効果の高い広告と評価されています。下図の操作画面のように、さまざまな条件で属性をつけることができるので、考え方の参考になります。

faecbook広告

今回は、「セグメンテーション」と「ターゲティング」について解説しました。考え方としては難しくはありませんが、このステップをしっかりと踏まないと誤った顧客像をつくってしまいます。是非、参考にしてみてください。

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