ブランディング基礎

ペルソナ設定〜Soup Stock Tokyoの「秋野つゆ」の成功事例からみるペルソナの作り方とは?

投稿日:2016年2月1日 更新日:

キャリアウーマン

ブランディングやマーケティングを考えるうえで、ターゲットの年齢や性別などのカテゴリを想定することだけではなく、ターゲットをペルソナと呼ばれる詳細な人物像に落として描くことが重要です。
今回は、1999年から「食べるスープ」をコンセプトに、働く女性を中心に支持を広げてきたスープ専門店「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」の成功事例をもとにブランド構築におけるペルソナ設定について解説します。

ペルソナとは?

ペルソナとは、見込み客がどんな人なのか、架空の人間像を具体化していく作業です。
たとえば、どんな悩みを持つ人なのか、好きなものは何か、友達は多いのか、性格や嗜好はどういうものかなど、具体的に個人像を描き出していきます。

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

ブランド構築においては、ターゲティングと呼ばれる見込み客の選定を行った後、見込み客がどういった人物なのかを細かく分析しペルソナを設定していきます。

その人物像を社内メンバーで共有することで、製品・サービスや施策がターゲットのニーズに合致しているのか、ひとつの指標をもとにしたブランド戦略を打ち出すことが可能になります。

ペルソナ設定の仕方

具体的なペルソナの作り方をみていきましょう。

・名前、年齢、性別、職業、家族構成、居住地域や、性格、価値観など、セグメンテーションのテーマ、ターゲティングで選定した属性リストを基に、ペルソナのプロフィールを具体的に記述する

・プロフィールの印象から想像される、ペルソナの「好きなこと」「嫌いなこと」「不満、不安、不便に思うこと」「幸せを感じること」なども記述する

・プロフィールから想像されるペルソナの「典型的な平日」「典型的な休日」などのライフスタイルを記述しておくと、「ブランド体験」を作るときに、顧客との接点を設計しやすくなる

・プロフィールから想像されるペルソナの外見(身長、体型、髪型、服装など)も記述する。ペルソナのイメージに近いイラストや写真などを用意する

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

セグメンテーションやブランド体験については割愛しますが、こうして、年齢、性別などだけではなく、具体的な性格や人柄までも想定することで、製品・サービスを利用してくれるであろう1人の生身の人間を浮かび上がらすことができます。

ペルソナ設定の成功例Soup Stock Tokyo


http://www.soup-stock-tokyo.com/

ペルソナによるマーケティング成功例としてはSoup Stock Tokyoが有名です。Soup Stock Tokyoは「秋野つゆ」という架空の人物を生み出し、「秋野つゆ」に対する詳細なマーケティング戦略を行ったことで、創業わずか10年で、売上高42億円、52店舗と驚異的な成長を遂げました。

ペルソナ「秋野つゆ」とは

Soup Stock Tokyoが設定した「秋野つゆ」とは、どういった人物でしょうか。

基本情報
名前: 秋野つゆ(37歳) 女性
・都内在住
・独身か共働きで経済的に余裕がある
・都心で働くバリバリのキャリアウーマン

特徴
・社交的な性格
・自分の時間を大切にする
・シンプルでセンスの良いものを追求する
・個性的でこだわりがある。
・装飾より機能を好む
・フォアグラよりレバ焼きを頼む
・プールに行ったらいきなりクロールから始める。

細かい好みや、性格まで設定したことにより、シンプルでセンスの良いものを好む、37歳のキャリアウーマン「秋野つゆ」というペルソナが生まれました。
秋野つゆ

ペルソナ「秋野つゆ」のニーズを想定する

ここからさらに「秋野つゆ」にSoup Stock Tokyoをもっと好きになってもらうために、どういったメニューや店舗づくりがいいのか、また、住んでいる街を想定し、店舗の立地はどこがいいのかなどを考えていきました。

「このスープは、秋野つゆがハマりそうだな」
「この立地だと駅から遠くて、平日に秋野つゆは寄れないだろう」
「お店の内装は、シンプルで過ごしやすくした方が好みだろう」

など

ペルソナの「好きなこと」「嫌いなこと」「不満、不安、不便に思うこと」「幸せを感じること」「典型的な平日」が戦略に落としこまれていきました。

その結果、都心で働くバリバリのキャリアウーマン「秋野つゆ」へ向けたSoup Stock Tokyoというお店ができあがりました。

できあがったSoup Stock Tokyoの特徴

  • 「食べるスープ」がコンセプト
  • 化学調味料、保存料に頼らない自然なおいしさを追求
  • 豊富なメニュー展開により、好きなスープとパンやご飯などの組み合わせを楽しむことができる。メニューは週替りで変更される。
  • インテリア全てのデザインを社内でディレクション、どのデザインに関しても無駄が無く機能的でありながらスープの自然な温かさを感じられることを基本としている。
  • 出店場所はオフィス街、駅チカの店舗

また、「秋野つゆ」が行かないであろう若者の街渋谷に店舗はなく、ペルソナをもとにした戦略が徹底されていることがわかります。

こうして、細かくペルソナ設定を行い、ペルソナが好きになってくれるであろう商品・サービスを徹底して考えぬいた結果、Soup Stock Tokyoは創業わずか10年で、売上高42億円、52店舗と急成長することができたのです。

ブランド構築に一貫性を持たせることができるペルソナ設定

ペルソナを設定することで、「ペルソナの好みとは違いそうだ」、「これは絶対好きだろう」などとブランディングの整合性を検証する指標とすることができます。また、ブランド構築だけでなく、施策を考えるうえでも戦略にブレがなくなります。是非、ブランディングの際にはターゲット選定だけでなく、ペルソナまで考えてみましょう。

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