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プロダクトブランドとガバメントブランドの相乗効果 茨城県龍ケ崎市のコロッケフェスティバル

投稿日:2019年10月23日 更新日:

ご当地コロッケの食べ比べを楽しむ「第7回全国コロッケフェスティバル」(富山新聞社など後援)は22日、茨城県龍ケ崎市で開かれ、17都道県の35団体が特産品を生かした自慢の味を振る舞った。会場には約5万7千人(主催者発表)が訪れ、北海道から九州までの名物コロッケを味わった。

各地域のPRと相互の交流促進を目的とし、富山新聞社などでつくる高岡コロッケ実行委員会が出展した。第1回フェスティバルで日本一に輝いた高岡のブースには3種類のコロッケが並び、計2千個を販売した。

来場者による人気投票では、今年のグランプリに北海道の「たまコロ」が選ばれた。2位は茨城県の「飯村牛コロッケ」だった。高岡コロッケは入賞を逃した。

来年はこれまでのフェスの入賞団体などを集めた「全国コロッケフェスティバルグランドチャンピオン大会」が新潟市で初めて開催される。

2019年9月23日 北國新聞
高岡コロッケ2000個振る舞う 茨城・龍ケ崎で全国フェス

地方振興としてのB級グルメ大会はイベントとしてすっかり定着したが、今回はコロッケで一躍全国的な知名度を高めた、コロッケイベント発祥の地である茨城県龍ケ崎市で大規模なイベントが行われた。

市役所の一部を使用した会場では、約5万7千人を超える多くの来場者に対して多数のコロッケ関連ブースが出店し、マスコミの取材も複数散見されるなど、イベントとして十分に成功を収めたようである。コロッケだけではなく、龍ケ崎市近辺の地場の商店も会場内で自社商品をアピールするなど、全国イベントと地域振興を兼ねた、大規模なイベントとなった。

B級グルメは、もはや地域を代表するプロダクトブランドであり、なおかつガバメントブランドにもなりうる、強力な存在になっている。つまり、B級グルメ商品(食品)はプロダクトブランドだが、それを擁する地方自治体は、そのプロダクトブランドを保有する、ガバメントブランドにもなるということである。

具体的な例としては、今回のコロッケフェスティバルの会場となった茨城県龍ケ崎市は、コロッケクラブ龍ヶ崎の「まいんコロッケ」が、「全国ご当地メシ決定戦2014」で優勝したことにより全国的な知名度を獲得したが、その結果、龍ケ崎市はコロッケの街としての全国ブランドを獲得したということである。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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