セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

和田誠作「ハイライト」、59年愛されるデザインが伝えるもの

投稿日:2019年11月8日 更新日:

本の装丁やポスター、映画などさまざまなジャンルで活躍したイラストレーターの和田誠(わだ・まこと)さんが10月7日午後6時57分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。83歳だった。お別れの会を開くが日取りなどは未定。

多摩美術大在学中に制作したポスターで日本宣伝美術会賞を受け、卒業後は広告デザイン会社に。たばこ「ハイライト」のデザインで注目を集めた。週刊誌の表紙に描いた似顔絵などで69年に文春漫画賞を受賞した。

77年から「週刊文春」の表紙を40年以上手掛けたほか、星新一さんや丸谷才一さん、つかこうへいさんら数多くの作家、劇作家の本で装丁や挿絵を担当。手仕事によるシンプルで温かみのある絵は広く愛された。

日本経済新聞 2019/10/11
和田誠さんが死去 イラストレーター

週刊文春や星新一、村上春樹らの小説の表紙画などで知られる故人だが、グラフィック・デザイナーとしてのポートフォリオにおいては、何を差し置いても「ハイライト」(日本たばご産業)のパッケージデザインが白眉ではないか。

“ハイライトブルー”とも称される空色の背景を白い角丸の枠で縁取ったデザインは、極シンプルでありながら、誰が見てもそれが「ハイライト」と一目で分かる個性を湛えている。実際、和田氏がデザインしたパッケージは発売から59年を迎えた今もそのまま使われ続けていることからも、ブランドイメージが完全に確立した稀有なプロダクトと言えるかもしれない。

コピー&ペースト文化の登場により類似品が量産される時代において、今も変わらぬ輝きを放ち続けるハイライトはブランドデザインにおける北極星のような存在だ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

関連記事

宇大浪漫 産学連携によるブランド開発

宇都宮大学(宇大)の名を冠した焼酎「宇大浪漫」。これまでは県内の一部での販売に限られていたが、昨年から全国で流通が始まった。製造元の栃木県那珂川町の「白相(しらそう)酒造」は県内で唯一、麦や芋の本格焼 …

スマイルシンデレラ渋野日向子とBEAMSの相思相愛?な関係

「AIG全英女子オープン」で日本女子42年ぶりのメジャー制覇を果たした渋野日向子(20)=RSK山陽放送=とウェア契約を結ぶ人気セレクトショップ「BEAMS」は14日、同ブランドの洋服100万円分の特 …

サントリーのボス 続くコーヒー以外へのブランド拡張

サントリー食品インターナショナル株式会社は、「BOSS」の濃縮タイプ飲料「ボス ラテベース」の新たなラインナップとして、「ボス ラテベース 香ばしピスタチオ」を1月22日(火)から期間限定発売します。 …

投票日は臨時休業。環境企業の先駆者・パタゴニアのビジョン

アウトドア衣料品メーカー「パタゴニア」の日本支社(横浜市)は、参院選の投開票日の21日、全国22の直営店すべてを臨時休業にする。投票へ行くよう従業員に促すとともに、顧客にも選挙について考えてもらうのが …

ブランド米の乱立 「2018年産米の食味ランキング」

(前略)今回の審査結果では、「特A」を獲得した地方ブランド米の数は、過去最高の55(昨年比+12増)となりました。実は現在、国内ではブランド米競争が熾烈を極めています。 この背景には、政府が長年にわた …

サイト内検索