ブランディング応用

運営失敗によって傷ついた、タピオカブーム

投稿日:2019年10月9日 更新日:

東京・原宿で開催しているフードイベント「東京タピオカランド」に対し、施設を運営する企業が「業務改善」を求めていたことが分かった。

同イベントをめぐっては、SNS上で不満が多数書き込まれていた。
東京タピオカランドは、複数のタピオカ店を集めて開催されているイベントで、2019年8月13日~9月16日の期間限定で実施している。入場料は前売り1000円、当日1200円。

会場は、電通とサニーサイドアップ(SSU)が共同運営する商業施設「jing(ジング)」内に構え、タピオカ店のほか、フォトブースの設置やグッズの販売をしている。

しかし、オープン後にはSNS上で「内装が文化祭レベル」「過去のイベントのフォトブースを使いまわしている」「出店が片手程 水分売ってるのにトイレ無し 入場料1000円超で再入場不可」「よくもまぁ4店でタピオカランドとか言ったものだ…」などと辛らつな意見が多数書き込まれている。

(中略)

東京タピオカランドのプレスリリースを見ると、7月16日配布の主催欄には「東京タピオカランド実行委員会」、共催欄に2つの企業名があったが、8月6日のリリースでは共催欄が消えている。

実行委員会に16日、書面で取材を申し込むと「改善意向の有無ですがあります。そしてすでにトイレや再入場の件などすでに改善させて頂いております」と回答。

SNS上で指摘された内装への不満は「ご指摘を真摯に受け止め、今後の運営向上に努めたく思います」とし、過去のイベント設備の転用については「アイスランド(編注:昨年開催されたイベント「東京アイスクリームランド」)で人気のフォトスポットを前回来場していなかったお客様に復活して欲しいとの声をいただいたため1部復活しました」と理解を求めた。

2019年8月16日 J-CAST ニュース
タピオカランド、相次ぐ不満で「改善」へ
施設側も苦言…「真摯に受け止める」

今年の大ヒット商品である、タピオカ。過熱するブームに合わせて、タピオカの提供店が増加すると同時に、ゴミの処理やトラブルも起き始めているが、ブームに水を差す事例が遂に発生してしまった。今回、記事内のタピオカに関するイベントにおいて、運営の不手際により多数の問題が発生したということである。このような事態は、ブームに水を差しかねない、大変残念なことである。

ブームの終焉は、「飽き」と「批判」によって起きやすい。ただし、「飽き」については、提供側の創意工夫により、顧客とのエンゲージメントを高めることで、ある程度のカバーができる。そのため、企業側で努力することにより、ある程度回避することが可能だ。

しかし、「批判」はブームに決定的なダメージをもたらす可能性が高く、一度発生すると、企業側でコントロールすることは難しい。特に、昨今のようにSNSで炎上してしまうと、鎮火させる手段を構築している間に、商品のブランドが毀損し続けていき、マーケティングの力を失ってしまう。結果的に、個別企業の問題が業界に波及して、業界全体にダメージを与えてしまい、ブームが終焉することに至ってしまうのだ。

特に、今回はテナントスペースを提供しただけで、イベントに直接関与していない電通社とSSU社までもがSNSで批判にさらされてしまったこともあり、今後は同様のイベントを開くことに対し、協力することに躊躇する自治体や企業が出てきかねない状況である。

過熱と拡大の一途を辿ってきたタピオカブームだが、今回の一件が、今後のブームにどのように影響を与えていくのか、注視していくことが必要だろう。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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