ブランドといっても企業ブランドから製品ブランド、パーソナルブランドまで、その種類は多岐にわたります。今回はブランドの種類と階層について解説します。
ブランドの対象と主なブランドの種類
下記ではブランドの対象とそれぞれのブランドの種類、例をあげています。iPhoneやカローラなどの製品ブランド、ディズニーランドやYoutubeなどのサービスブランドは良く知られていますが、それらに限らず、人や地域、成分といったものまで、ブランドに成り得るものは多岐にわたっています。
ブランドの対象 | ブランドの種類 | 例 |
組織 | コーポレート(企業)ブランド | Apple、ファーストリテイリング、トヨタ、セブン&アイ・ホールディングス |
事業 | 事業ブランド | ユニクロ、セブンイレブン、レクサス |
製品 | ファミリーブランド | セブンプレミアム、植物物語 |
製品ブランド | iPhone、プレイステーション、カローラ 、金の食パン | |
サービス | サービスブランド | ディズニーランド、YouTube |
人 | パーソナルブランド | スティーブ・ジョブズ、イチロー、宮沢賢治 |
場所・特産 | 地域ブランド | 関サバ、松坂牛、京都 |
その他 | 成分、技術 | ヒアルロン酸、インテル、コラーゲン |
一般的な企業におけるブランドの階層
ブランドの種類を見た上で、ブランドの階層を考えてみると、それぞれのブランドのつながりが重要なことがわかります。例えば、ユニクロは、ファーストリテイリング(企業)-ユニクロ(事業)-ヒートテック(製品)などが相互に関連することでブランドやブランドのイメージがつくりあげられています。
ブランドの階層において、重要になるのは下記の2つのポイントです。
- コーポレート(企業)ブランド〜製品ブランドまで、消費者に一貫した印象を与えるように構築する。
- コーポレートブランドと製品ブランドが、消費者に矛盾したものとして捉えられかねない場合には、コーポレートブランドと製品ブランドを別に分けて作る必要がある。
次にコンビニ、家電それぞれの大手ブランドから、ブランドの階層を見ていきます。
セブンイレブンの階層
- コーポレートブランド:株式会社セブン&アイ・ホールディングス
- 事業ブランド:セブン‐イレブン、イトーヨーカ堂、そごう・西武など
- ファミリーブランド:セブンプレミアム、セブンゴールド、セブンライフスタイル、デイリー商品
- 製品ブランド:金の食パン、金の麺などの「金の○○シリーズ」など
Panasonicの階層
- コーポレートブランド:Panasonic
- 事業ブランド:Panasonic、Panasonic Homes&Living(住宅及び住空間)Panasonic AUTOMOTIVE(車載)、Panasonic BUSINESS(BtoBソリューション)Technicsなど
- ファミリーブランド:ナノイー
- 製品ブランド:ヘアードライヤー 「ナノケア」
2社とも大手企業だけにブランドの階層がしっかりと分かれています。また特徴的なのは、両者ともファミリーブランドがある点です。ファミリーブランドとは一般に複数の「製品カテゴリ」にまたがるブランドのことです。 Panasonicのナノイーは30近くのカテゴリーで用いられています。
ブランドの種類と階層について解説しました。実際にブランドを立ち上げるときにはこうした考えを理解していることで、会社とブランドの関係性を明確にすることができます。是非参考にしてみてください。
【2017年5月22日 お詫びと訂正】2017年3月13日に公開した本記事におきまして、Panasonic社のファミリーブランド、製品ブランドに誤りがありましたので訂正いたしました。ご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。