セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Branding Method

地方創生の切り札「地域ブランディング」の難しさ

投稿日:2018年12月26日 更新日:

昨今しきりに地方創生が叫ばれています。「地域ブランディング」(地域ブランドの構築・育成)はその切り札のようにも見なされています。有名な事例を1つ引くなら、「くまモン」の大ブレイクは多くの方がご存知と思いますが、これは熊本県の、県レベルでの地域ブランディングの成功事例と言って良いでしょう。しかし、いつの時代も「マジック」は存在しません。地域ブランディングが必ずしも成功しているわけではなく、むしろうまく行っていない例のほうが多いようです。いったい何故なのでしょうか。

 

企業、商品・サービスのブランディング(便宜的に「その他のブランディング」と言います)と地域ブラディングには、実は大きな違いが2点あります。そしてこの違いが、地域ブランディング特有の難しさの原因にもなっています。

 

主体の違い~地域ブランディングの難しさその1

その他のブランディングではその主体は明確です。企業ブランディングならその企業が、商品・サービスのブランディングならその製造元や販売元がブランディングを行います。しかし、地域ブランディングの場合はそうはいきません。かりに、主要な地元名産品を販売している企業が存在したとしても、他にも市町村などの自治体、農協や漁協などの組合、商工団体、NPOなどさまざまな組織がからんできます。こうなると意思決定のプロセスが複雑で困難なものになります。

 

目的の違い~地域ブランディングの難しさその2

その他のブランディングの場合、目的は比較的単純です。究極の目的はその企業の売上・利益の増大です。しかし地域ブランディングの場合、郷土愛の育成や定住者の増加、雇用創出、地場産業の振興などがあり得ます。しかも何を目的として設定するかを、1で述べた多様な利害関係者と調整することになります。

 

一般的に以上の2点が、地域ブランディングの難しさの要因と言われています。もちろん、企業や商品のブランディングも決して簡単ではありません。しかし、地域ブランディングには独特の難しさがあるということが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

ブランディングは継続することが大切ですが、困難なプロセスを継続するためには、「楽しむ」ことが何より重要です。それは企業や商品・サービスの場合も、地域ブランドの場合も同様です。

関連記事

観光地が成功するにはワケがある!ハワイの成功にみる、観光地マーケティングの重要性

商品を売り込むときに、マーケティング戦略が重要であることは言うまでもありませんが、実は“観光地”にもリピーターを確保しその土地を盛り上げるための「観光地マーケティング」が存在します。そこで今回は、ハワ …

ブランド構築のための初めの一歩「SWOT分析」を疑似体験 ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)を参考に作成

ブランディングのコンサルを行う際に、必ずその上位概念となるマーケティング戦略の骨格作りを行います。ブランド・マネージャー認定協会では、複雑な戦略形成もたった8つのステップでマーケティング戦略からブラン …

ブランド

「日本の消費者に好まれているブランドランキング2017」をチェック!

アジア一の広告専門誌Campaign Asia-Pacificが実施している「アジアのトップ1000ブランド」において、日本人が最も良いと思うブランドTop100が発表されパナソニックが3年連続で1位 …

スマホを持つ女性

デジタルマーケティングの鍵となる「YWN」とは

デジタルマーケティングの時代、ネット上で自社の製品やサービスを力強くリコメンドしてくれるインフルエンサーの重要性はますます増しています。仮に自社の製品のボリュームゾーンが中高年層であっても男性層であっ …

広告の反応が落ちている…でも改善方法はここにあり!

広告や販売促進には多くのコストがかかります。そのため普段から、広告反応の動向を見ている方も多いでしょう。しかし広告の反応が落ちてきたと感じたとき、どのように改善すればいいのか頭を悩ませている人も多いの …

サイト内検索