Case Study

【ブランディング事例】世界観の徹底で、ポップコーンに「情緒的価値」を付加させたポップコーンパパ【後編】

投稿日:2015年11月6日 更新日:

ポップコーンパパ

前回のコラムではポップコーン専門店「ポップコーンパパ」を経営する株式会社Dreams(大阪府)が、どのようにしてブランド・アイデンティティを確立していったかを紹介しました。
今回は、ブランド・アイデンティティをもとにどのように消費者に対し訴求していったか、またその効果について紹介いたします。

消費者とブランドとの出会いを決める

ブランド・アイデンティティが確立したら、今度はそれをどのようにして消費者に伝えていくかを考えます。来店や購入、実際に食べて感じた印象など、ブランドと関わるあらゆる接点でブランド・アイデンティティを表現し、それを体験(ブランド体験)してもらい、価値を感じてもらうことが大切です。そのためにはまず、さまざまなブランド要素をブランド・アイデンティティをもとに決めていきます。

ブランド要素とは名称、ロゴマーク、キャッチコピー、キャラクター、色など、ブランドを構成する最小単位のことです。

ポップコーンパパでは、「直接的イメージ」と「他店との差別化のためのイメージ」をもとに、ブランド要素を設計していきました。

直接的イメージ

  • ポップ
  • カラフル
  • キュート
  • 子ども
  • アメリカン
  • 本場

他店との差別化のためのイメージ

  • ワクワクする体験ができる
  • こだわり製法である
  • 32種類のフレーバーを選ぶ楽しさがある
  • フレンドリー
  • 細部にまでこだわった一貫性のある世界観(テーマ)
  • 人に紹介しやすい
  • 知らない味で未知への冒険気分

【ロゴ】

アメリカンカラーの赤と青に統一し、アメリカの国旗に使用されている☆を組み合わるとともに、白フチを加えてポップコーンのモコモコ感を表現しました。

【キャラクターファミリー】

店名の「ポップコーンパパ」を一目で連想させるキャラクターとしてパパキャラを制作。ポップコーンを擬人化させ、店舗スタッフが被っていたカウボーイハットを小物に使用しました。身体部分はポップコーンを入れる紙コップを用い、アメリカンカラーで表現しました。その後、パパをベースにママと子どもを制作し、ファミリーを展開しました。

 
ポップコーンパパでは、他にもパンフレットやオフィシャルサイト、店舗の内装、外装まで、ポップコーンパパの世界観を感じさせるようにイメージを統一させたのです。

従業員の行動におけるガイドラインを作成

ブランド要素やブランド体験について決定したら、次は従業員全員がブランドの価値観、思想、ミッションを共有することが重要です。そこで、実際の営業や運営に反映できるように、ガイドラインとなる推奨規定と禁止規定を設定します。

推奨規定とは、このブランドを扱う際にどのような行動を取るべきなのかを言語化したものです。また、禁止規定とは、このブランドを扱う際にしてはならないことを言語化したものです。

ブランド・アイデンティティと連動したいくつかのキーワードそれぞれに「ヒト」「コト」「ワザ」「モノ」の観点から、絶対にやるもの、絶対にやってはいけないことを明確にします。

ポップコーンパパでは、推奨規定・禁止規定を策定後、これをベースにクレドとして冊子にまとめました。

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

働く人の意識が変わり、世界観が伝わった

ポップコーンパパでは、チームブランディング導入後、お客様からの声に変化が現れました。これまでは「おいしかった」「また食べたい」など、商品に関する感想がほとんどでした。それが導入後は、接客に対してのコメントや「いつもありがとうパパ」といった、キャラクターへのコメントに変わり、イラストをもらうようにもなりました。つまり、お客様の目線が商品から、ポップコーンパパ全体の世界観へと変化したのです。これは、チームブランディングによって、従業員一人ひとりの意識が変わり、日頃の行動に自然に反映させることができた結果といえます。

チームブランディングによって、何のために働くかという使命感、つまりミッションを明確にすることでき、さらに全員がブレずに同じ方向を向いて仕事に取組みことができたことが、ポップコーンパパのチームブランディング成功の秘訣なのです。

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

社長の宮平氏はこう語ります。
「僕が本当に欲しかったのは、スタッフが皆、心から喜んでポップコーンパパで誇りをもって働いてくれること。チームブランディングのおかげで、その自覚が一人ひとりに芽生えたと実感します」

いかがでしたでしょうか?もしあなたが自社のスタッフの士気に問題を感じているなら、一度チームブランディングの導入を検討するのもいいかもしれません。

関連記事

ZOZOTOWNは復活するか? ネット専業企業のリアル店舗によるマーケティング戦略の有用性

ゾゾタウンを運営する、ZOZOの苦戦が続いています。 ゾゾタウンが有料会員制の割引サービスを終了、海外PBも撤退 東証1部上場で衣料品通販サイトの「ゾゾタウン」を運営する「ZOZO」は、5月30日をも …

バルミューダのトースター

「モノ」を売らずに「体験」を提供することで情緒的価値を生み出す 〜「ドヤ家電」バルミューダのトースター〜

(出典:https://www.balmuda.com/jp/about/) ドヤ家電という言葉をご存知でしょうか。ドヤ家電とは、ついつい人に自慢したくなるような家電製品のこと。日経MJが発表した20 …

近大生まれのマグロ解体ショー

近畿大学の「おもろい」ブランディング戦略

(出典:http://www.news2u.net/releases/140090/items/1/) 少子化が進んだことで、旧態依然とした大学の世界でも、学生を引き付けるブランディングの意識が必要に …

【特別寄稿】『ミッキーの家』に11時間待ち?!

東京ディズニーランドの「ミッキーの家とミート・ミッキー」で11時間待ちという驚きの記録が生まれたそうですね。 キャラクターが生まれて90周年という記念すべき日ではありましたが、特別のイベントもなく、平 …

Oculus-Go

Oculus Go(オキュラス ゴー)は電脳アイドルの夢を見るか?

なんか『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をパロってタイトル付けようとしてみたもの、あまり面白味のないタイトルになりました…。 とまぁそれはさておき、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という小説 …

サイト内検索

ブランド・マネージャ―認定協会サイトへ

Chess
ファイブフォース分析とは!?〜マクドナルドを例に解説〜
打ち合わせ
CI、VI、BIの違いとは?
ブランディング
ブランディングとは? 「基本的な意味と進め方」について解説!
スターバックスの店舗
【誰にでもわかる!?】スターバックスから学ぶ3C分析
マトリックス
アンゾフのマトリクスとは? 富士フイルムの事例に学ぶ
印刷会社が進むべき16の事業領域~アフターコロナ時代を見据えて~
キャリアウーマン
ペルソナ設定〜Soup Stock Tokyoの「秋野つゆ」の成功事例からみるペルソナの作り方とは?
マクドナルドとモスバーガー
マクドナルドとモスバーガーの比較から見るブランドにおけるポジショニングとは?
オンデーズの店舗イメージ
「オンデーズ」はメガネ業界のZARAとなるか? 〜JINSとは一線を画すファッション路線〜
星のや軽井沢
星野リゾートのブランディングから学ぶ!〜理論の実践とは〜