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「明治 ザ・チョコレート」の4P分析〜実は激安戦略?〜

 

明治 ザ・チョコレートのWebサイト

2016年9月に発売してから1年間で約3000万枚を販売し、一大ヒット商品となった明治の板チョコ「明治 ザ・チョコレート」。今回はこの商品の4P分析を行い、成功の理由を探りたいと思います。

クラフトチョコレートを200円台前半で販売

「通常の板チョコの倍はするにも関わらず」、「2倍に値上げでより売れた」「高級チョコレートを増産へ」…「明治 ザ・チョコレート」の分析記事にはこのような文言が並びます。しかし、「明治 ザ・チョコレート」は、本当に高価格戦略をとったのでしょうか。

コンビニのチョコレートのコーナーを眺めると、「明治 ザ・チョコレート」は決して高価格ではないことがわかります。「明治 ザ・チョコレート」(219円、ローソンフレッシュの税抜販売価格)はたしかにチョコレートでは廉価な板チョコ・明治「ミルクチョコレート」(109円)の2倍の価格ですが、同じ明治の「チョコレート効果」と同価格(219円)です。板チョコに限らなければ、明治「メルティーキッス」(246円)、森永「カレ・ド・ショコラ」(330円)などのチョコレートよりも安めの価格設定です。

コンビニに限定すると中価格帯の「明治 ザ・チョコレート」ですが、チョコレート市場全体からいうと、「明治 ザ・チョコレート」は「低価格」の価格戦略です。
結論からいうと、「明治 ザ・チョコレート」は、「クラフトチョコレートを」(Product)、「激安価格で」(Price),「コンビニ・スーパーで売った」(Place)ことが、勝因といえるのです。

大手メーカーの購買力とチャネル力を生かす

「明治 ザ・チョコレート」は、最近の「クラフトチョコレート」ブームに乗った商品です。クラフトとは「手作り感のある」という意味で、地ビールの「クラフトビール」に始まり、「クラフトアイス」そして「クラフトチョコレート」と、チョコレートにまでクラフトブームが波及しました。

クラフトチョコレートは、カカオ豆の仕入れからチョコレートの製造までを一貫して行う「Bean to Bar」が特徴で、主にチョコレート専門店で販売されていました。価格は一概にいえないのですが1000円以上が一般的で、なかには2000円代の板チョコもあるのが、クラフトチョコレートの市場です。

価格は1000~2000円で、チョコレート専門店でしか買えなかったクラフトチョコレート。これを約200円台前半で、コンビニで売ってしまったのが「明治 ザ・チョコレート」の勝因です。
カカオ豆とチョコ
「Bean to Bar」という言葉がトレンドですが、明治は実に1926年以来カカオ豆からチョコレートを作っているという歴史的蓄積がありました。明治はさらにカカオ農園の管理から行い、高品質なカカオの安定供給を成功させます。これらの品質(product)戦略により、チョコレート専門店にも対抗しうるクラフトチョコレートの製造が可能になったのです。

また、大手菓子メーカーの明治だからこそ規模の経済が働き、200円台前半の価格(Price)設定が可能になりました。コンビニで売ることができたのも同様に、明治の強いチャネル力(Place)によるものです。

専門店を疑似体験できるプロモーション戦略

明治 ザ・チョコレート

最後のP、プロモーション戦略(Promotion)ですが、特徴的なのはパッケージで、クラフト感を出すためにまさにクラフト紙を使っています。このことからも、いわゆる高級ブランドのチョコレートをイメージさせているのではなくて、チョコレート専門店の手作り感をイメージさせてようとしているのがうかがえます。

注目なのは8バージョン(コンフォートビター、エレガントビター、ブリリアントミルク、サニーミルク、ビビットミルク、ベルベットミルク、抹茶、フランポワーズ)の商品ラインアップで、これらのバージョンをすべてコンビニの商品棚に陳列すると、一つのコーナーのような空間ができあがります。このことも専門店でチョコレートを選ぶような体験を提供しようとしていることがわかります。もちろんこれも明治のチャネル力があるからこそ、コンビニにそれだけのスペースが確保できました。

ちなみに斬新といわれる縦型のパッケージですが、これは8種類の商品を並べるための省スペースの試みなのではないでしょうか。

マーケティングミックスの好例に学ぶ

「明治 ザ・チョコレート」は、4Pのマーケティングミックスがうまくかみ合った好例です。「クラフトチョコレート(Product)を200円前半(Price)で、コンビニで売る(Place)」というのが斬新であれば、「コンビニで(Place)で、8種類の商品ライアップをそろえて(Product)、疑似クラフトチョコレートコーナーを作る(Promotion)」というのも斬新です。

このようなマーケティングミックスは、大手企業に限らず有効です。4P分析というシンプルなフレームワークを使って、自社の製品を開発していくことが、マーケティングの第一歩といえます。

 - ブランディング基礎

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