セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Case Study

コンビニ“ローソン”が繰り広げる新しいブランド連想 ―カフェと書店とステイホーム【後編】

投稿日:

 


 

また、今回の店舗形態によって、LTVについても影響を及ぼすことが想定されます。通常店舗と本屋店舗で、実際にLTV(ライフタイムバリュー)を用いて可視化してみます。

 

 

基本的に年齢が上がる程、商品購入単価は上がります。
ただ、最大でも中単価商品で留まってしまい売上高は途中から伸び悩むことになります。

 

書籍の販売拡充は、それを解消する一手ともなり得ます。
本屋店舗についてLTVで可視化してみると、下記のようになります。

 

 

書籍の購入は、ビジネス関連の書籍購入が必要となる、社会人の需要が大きいことが想定されます。
また、読書が趣味である人も、社会人として可処分所得が増加している場合、購入額が多くなります。

結果として、下記の両面での客単価アップが期待できることになってきます。

 ①書籍の購入 ⇒ ついで買い(食品) ⇒ 客単価アップ
 ②食品の購入 ⇒ ついで買い(書籍) ⇒ 客単価アップ

 

コンビニエンスストアも店舗数の増加に伴い、売上高は伸び悩みを見せ始めています。今回記事で取り上げているローソンも、2021年2月期決算では売上高・営業利益共に、前年比で減少となっています。

コンビニエンスストア業界は、顧客の潜在需要を掘り起こし、顕在需要として収益化させることで業態が拡大してきた歴史があります。

 

今回のローソンの試みは新たな収益基盤につながるのか、注目していきたいと思います。

 

 

 

 


■武川 憲(たけかわ けん)執筆

一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 エキスパート認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。
現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。

https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

 < 前のページへ 

関連記事

印刷会社が進むべき16の事業領域~アフターコロナ時代を見据えて~

今回は印刷業界について取り上げます。印刷業界は構造的な低迷もありますが、今回のコロナショックにより大きな変革の波にさらされようとしています。その変革の波をとらえ、印刷会社がどう変わっていくべきなのか、 …

日本を代表する印刷会社が「印刷」の二文字を外した意味

引用元 「印刷会社」から「世界中の課題を突破する会社」へ! 社名に込められた新たなブランド・アイデンティティとは? 2023年10月1日。大日本印刷株式会社(通称:DNP)と並び、日本の印刷会社の二大 …

レゴランド

レゴランドが名古屋にオープン!強気の価格設定は吉と出るか!?

(出典:https://www.legoland.jp/about-us/about-legoland-japan/) 2017年の世界で最も有力なブランド・ランキングにおいて首位を獲得したレゴ。 今 …

「+J」に見るユニクロブランドの成長

かつてユニクロとファッションデザイナーのジル・サンダー氏がパートナーシップを結んで立ち上げた「+J」が、2020年秋冬モデルを発表し、復活しました。 ユニクロ +Jコレクション https://www …

近大生まれのマグロ解体ショー

近畿大学の「おもろい」ブランディング戦略

(出典:http://www.news2u.net/releases/140090/items/1/) 少子化が進んだことで、旧態依然とした大学の世界でも、学生を引き付けるブランディングの意識が必要に …

サイト内検索