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Case Study

瀕死のコロナ禍エンターテインメントビジネスの活路とは  ― ディズニーランドの生き残り戦略 【前編】

投稿日:2021年6月10日 更新日:

現在、複数のリゾート施設を展開していますが、そもそもディズニーランドはどのように利益を上げるビジネスモデルとなっているのでしょうか。ここで、最新の決算開示数値である、2021年3月期の第3四半期決算短信から数値を確認してみます。まずは各事業ブランドセグメント別で確認すると、下記の通りとなっております。

 

テーマパークは、ディズニーランド/ディズニーシー。ホテルは、ディズニーアンバサダーホテル等。
物販のイクスピアリは、その他に入っているようです。

 

 

ここから導き出されることは、現況ではやはりテーマパークの構成比が圧倒的に大きく、売上高・利益共にこのセグメントに偏重していることが確認できます。

これを、事業ブランド別にポートフォリオで表してみます。

 


 

ただし、これは2020年の3Q時点では異なる状況でした。
こちらも確認してみます。

 

 

 

このように、2020年時点では事業ブランド・ポートフォリオ上では利益構造が上手く分散化しており、各事業間では相互にバランスがとれたビジネスモデルであったのです。
それが、今回の感染症問題の影響によって、一気に事業プロダクトポートフォリオが崩れてしまったことになります。
元々が財務基盤も厚く利益率が高い安定企業として評価されていたオリエンタルランドが、今回の感染症問題によって、そのビジネスモデル構造が維持できなくなっています。

今後オリエンタルランドが生き残るためには、どうすればいいのか。それは後編にて検討してみたいと思います。

 

 

 

 


■武川 憲(たけかわ けん)執筆

一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 エキスパート認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。
現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。

https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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