話題の事例紹介

ペットが跨ぐ、仕事のオンとオフの境界線

投稿日:2019年6月24日 更新日:

2018年に成立した働き方改革関連法が4月1日から順次施行され、約2ヵ月が経過した。
就業時間や環境など、働き方が変わってきている中、ワンポイントアイデアで業績や社員のやる気をアップさせた企業がある。それは、ペットを連れて出社し、オフィスで仕事をする新しいワークスタイル「ペット同伴出勤」だ。ネット通販大手アマゾンの本社では、犬が遊べるドッグパークを整備するなど、海外ではすでに浸透している制度で、日本にもその波が押し寄せているのだ。

しかし、社員の中には動物が苦手な人もいるだろう。なのに、なぜペット同伴出勤が増加しているのか?
制度を導入する企業を取材し、働き方改革の最前線を調査した。

FNN PRIME 2019/6/7
働き方改革の最前線…「ペット同伴出勤」で業績&やる気アップ!

少子高齢化による労働人口減少を起点として人手不足と、「働き方改革」をきっかけとした政府指針により、様々な企業が優秀な人材確保対策を模索している。特に人材獲得競争に苦労しているのが、不人気業界や小規模企業だ。そのなかでも、ユニークな取り組みで社員の定着化や新入社員の獲得を目指している企業が増えている。今回のペット同伴出勤も、その人材確保対策の一つである。

日本ではペットの飼育数が年々増加してきており、現在では子供の数を上回るような状況であると推測されている。世帯数計算でも、おおよそ全世帯の25%程度はペットを飼育しているという見込みであるという。それだけ、ペットの存在が身近になっているというところなのだろう。これまでは子供のいる社員向けに保育園を併設するなどの福利厚生があったが、その動きが多様化してきているというところでもあるのだろう。

今回の企業の動きは、主に単身世帯向けに新たな福利厚生の一環として行っていると思われる点で、新鮮である。特に、散歩の必要性がない猫が、最近の単身世帯者向けのペットとして人気になっているようである。

猫の飼育数、犬上回る=2年連続、差が拡大-ペットフード協会

ペットフード協会(東京)は25日、2018年の全国犬猫飼育実態調査で、猫の飼育数(推計)が2年連続で犬を上回ったと発表した。昨年初めて猫が犬を逆転しており、今年はさらに差が広がった。調査結果では、犬が昨年より1万7000匹減って890万3000匹だったのに対し、猫は12万3000匹増えて964万9000匹だった。

時事ドットコム 2018/12/25

かつての日本の企業社会では、社員に労働に関する滅私奉公を義務付け、家族など、仕事以外に関心を向けることを悪とし、同調圧力をかける傾向があった。しかし現在ではそのような動きをする企業は、SNS等で瞬く間に拡散し、コーポレート・ブランドに致命的な打撃を与えることになるだろう。実際に、育児休暇に関するマタハラや、転勤によるパタハラなどの問題で、多額の費用や長年かけて築き上げてきたコーポレート・ブランドが、あっという間に地に堕ち、価値を失ってしまう時代である。

逆をいえば、今後はES(従業員満足)を重視した福利厚生を実施すれば、コーポレート・ブランドを高めることができ、企業規模に関係なく優秀な人材を確保できるチャンスであるともいえる。これは人材戦略として、今後の企業の命運をかけたものになるのかもしれない。これからの人事部は、このような戦略的思考をもつことも、必要となっていく時代なのである。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント

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