東京・上野駅に設置されているホワイトボードが、乗客を和ませている。
このホワイトボードは、広い上野駅の入谷改札にあるもの。「定期券購入は、もうお済みですか?」と書かれたボードでは、「3月末から4月上旬のみどりの窓口はもの凄く混雑します…!!」
と、通勤定期券なら自動券売機で買えることをアピール。駅員風のパンダが券売機に人を誘導するイラストもキュートだ。
ホワイトボードの絵を描いた女性社員は、上述の広報担当者を通じて、ネット上の反響について、
「お客さまの声を励みに今後も継続してホワイトボートイラストを描き、分かりやすいご案内に努めていきます」
とのコメントを寄せた。絵師駅員が活躍する上野駅。この駅を使っていると、毎日の通勤通学も楽しくなりそうだ。
Livedoor NEWS 2019/4/24
上野駅の「絵師駅員」じわり人気 ホワイトボードに美麗イラスト、かわいいパンダ駅員も
IoT化が進んだ現代だからこそ、こういった手書きメッセージは独特の存在感を放つ。継続して更新し続ければ一種のシンボルとして利用者に認知され、このニュースのように大勢のファンを獲得することも可能だ。
一方で視点を変えて見ると、上野駅のこの取り組みは利用者のインサイトに対応しているとも考えられる。インサイトとは消費者の本音を指し、この場合は「混雑に対する苛立ち」と推測される。多くの路線を有する上野駅は1日に18万人以上が利用しており、窓口の行列に対して苛立ちを感じる利用者も少ないはずだ。
このとき、ホワイトボードの「通勤定期は自動券売機でも買える」という案内を利用者にアピールできれば、多少なりとも混雑が軽減する可能性がある。また、ホワイトボードの可愛らしい雰囲気によって苛立ちが緩和される人もいるだろう。手書きのメッセージには、それらを可能にしうる魅力がある。
職員が顧客のインサイトまでを見越して書いたのかは不明だが、あらゆるものがデジタルへと移行する現代において、アナログ要素を取り入れることは有効だ。
BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ