売上UPのための戦略

必要なときだけ購入できる!課金型ビジネスの成功事例3選

投稿日:2015年6月30日 更新日:

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マーケティングの発想の中で、顧客に商品やサービスを提供するときは「モノ売り発想」から「コト売り発想」への転換がたびたび語られます。

顧客に与えるメリットを考えながら商品を提供すれば、新規顧客を見つけ出せる可能性があがります。今回は富山の薬売りから最近のオフィス向けビジネスまで、新しい市場を発見した3つの具体例をご紹介します。

必要な時に必要な分だけのコストでおさえられる
『富山の薬売り』

はじめに「富山の薬売り」の発想から、顧客のベネフィットを考えていきます。

「富山の薬売り」の販売方法の特徴は「先用後利」という「病を治すのが先で利は後にする」という基本的な考え方に基づいています。

具体的には、売り手側と契約している家庭に「置き薬」が置かれます。その中に入っている薬は自由に使えるようになっていて、使った分だけ料金が徴収される仕組みです。

このような販売方法は、継続的な顧客との信頼関係の上で成り立つものです。マーケティング手法の中では、いわば「CRM (カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の方法です。
 普段めったにかからない病気の薬は、風邪薬などの常備薬とは違い、あまり使う頻度がありません。
そのうち、使用期限が切れて無駄になる場合もあります。

消費者としては、その病気になった時に使う分だけほしいと思うこともあるでしょう。

「富山の薬売り」では「いつ、どのような病気になるのかわからない」という状況の中で、さまざまな薬を常備しておけるメリットがあります。さらには、実際に使用する薬にしかコストがかかりません。

「富山の薬売り」では「置き薬」を設置することで多くの潜在顧客を獲得して、「本当に必要なときだけ薬を購入できる」という顧客にとって無駄のない売り方をしているのです。

導入企業へのメリットも意識した『オフィスグリコ』

http://www.ezaki-glico.net/officeglico/system.html

「富山の薬売り」と似たような販売方法は、他の業種でも応用されています。その一例として、まず江崎グリコ株式会社の提供している「オフィスグリコ」というサービスがあります。

通常、オフィスに勤める従業員は、休憩時間や一息つきたいときにつまむ菓子類をコンビニなどに行き各自で購入します。たとえ多忙な業務中であっても、わざわざオフィスの外に出ないと菓子類を買えないわけです。

従業員を雇う企業側としても、置き菓子を用意するのは手間やコストがかかりますし、オフィス内にコンビニを設置するわけにもいきません。

そこで「オフィスグリコ」というサービスが役立ちます。

オフィスグリコとは?

オフィスに専用のボックスや冷蔵庫を貸し出し、グリコの置き菓子を提供するサービスです。

商品は一律100円で、オフィスの従業員が、各自で取り出した際に備え付けの料金箱にお金を入れていきます。その料金を、グリコのスタッフがお菓子の補充とともに回収します。

企業が固定費を支払う必要はなく、食べた人が食べた分だけお金をいれる仕組みです。

このサービスは、グリコ側のスタッフが在庫の増減と料金箱の金額の照らし合わせをしません。顧客側が必ずしも料金を払ってくれる保障はありません。

そうなると、気になるのは料金がちゃんと支払われているかどうかですが、95%に及ぶ回収率といわれています。

「オフィスグリコ」は「富山の薬売り」以上に、顧客側との信頼関係の上で成り立っているビジネスなのです。

オフィスグリコを利用することでの企業にとってのメリット

  • オフィスに置き菓子を設置することで従業員をねぎらうという福利厚生の意味が生まれる。
  • 個々の従業員が料金を支払うため、置き菓子を設置する企業側が「毎月決まった額の固定費を払う」などの負担は発生しない。
  • 総務担当者がサービスの導入を決定しやすくなり、わざわざ上層部に掛け合うなどの手間が省かれる。

このように置き菓子を利用する従業員だけではなく、オフィスグリコを導入する企業にもメリットがあるため、取り入れやすいサービスとなっています。

冷蔵庫の売り切り型ビジネスを脱却したハイアールアジア

http://www.off-ice.jp/

「オフィスグリコ」と同じように、サービスを提供するための枠を貸し出して、課金を促すシステムが増えています。ハイアールアジア株式会社では「オフ・アイス」というサービスを試験運用中です。

このサービスの中では同社の冷凍庫をオフィス向けに無償で提供し、その中で保管できるアイスを売り出すことで収益を得ています。同様のサービスを行っている菓子メーカーなどと差別化するために女性をターゲットとし、高級感のあるアイスを提供しています。実際のテスト販売でも売上は上々です。

サービスを利用する顧客側の従業員としては、コンビニでも販売していないプレミアム感を感じるアイスをオフィスにいながら手に入れることができますし、冷蔵庫に私物を入れることを気にする必要もなくなります。
また、導入する企業側としても、冷蔵庫という固定資産を抱えることなくサービスが利用可能です。

ディスプレイ搭載型冷蔵庫「DIGI」

余談ですが、同社では「オフ・アイス」の他にも、扉に全面ディスプレイを搭載した最新の冷蔵庫「DIGI」を発表しました。

単に冷蔵庫というハードを売って終わりではなく、ディスプレイに映し出す映像を継続して販売するコンテンツ提供型のビジネス手法です。ユーザーは携帯電話のケースを変える様に映像を“着せ替える”ことができ、映像の中でペットや熱帯魚を飼う事もできます。

このようにハイアールアジアでは冷蔵庫をただ売るのではなく、冷蔵庫という枠組みを使って顧客の体験できることを増やしています。

まとめ

これまでご紹介したビジネスモデルの共通したベネフィットは、自らお店にいかないで済む便利さ、使った分の費用を後で支払うという導入のしやすさといえるでしょう。

同じ商品・サービスでも、顧客目線に立った新たなベネフィットを提案することで、新規顧客を獲得することができることを示しています。

こうしたビジネスモデルは他の業種にも応用することができそうです。
最近では、女性向けに化粧品などをオフィスに置く「オフィス・コスメ」といったサービスも登場しています。

「顧客にとってのベネフィットはどこにあるのか?」を常に意識しながら、商品の売り方にも工夫を加えることが大切といえるでしょう。

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