Branding Method

プロ野球を彩るキャラクターたち~マーケティングの見地から~

投稿日:2018年7月11日 更新日:

東京ドーム
「ジャビット」「つば九郎」「ドアラ」を知っていますか、そうです、プロ野球のマスコットキャラクターです。では「謎の魚」「バファローズポンタ」「DB.スターマン」は? ここまで知っていればかなりのプロ野球通。今回は、プロ野球のマスコットキャラクターとそのブランド戦略をご紹介します。

プロ野球観客動員数は右肩上がり

日本のプロ野球の人気は、現在どうなっているでしょう。「テレビ(地上波)で全然見かけなくなったな」「イチローも大谷翔平もアメリカのメジャーリーグだしな」「サッカー人気に押されているんじゃないの」と考えている人も多いと思いますが、実はプロ野球の観客動員数は実数が発表された2005年以降、右肩上がりに伸びているのです。

要因として、各球団が地元に根差した経営を行っていること、野球そのものだけでなく、みんなで応援し、ビールを飲み、雰囲気を楽しむ場「ボールパーク」を目指した結果、若い女性を中心にライトな層を取り込んでいること、グッズやイベントなど試合を盛り上げる様々な企画が催されていることなどが挙げられますが、今回紹介する各球団のマスコットキャラクターたちが、球場のみならずSNSなどで話題になっていることも、プロ野球人気を押し上げている要因です。今回は、そんなキャラクターたちを紹介していきます。

千葉ロッテマリーンズ「謎の魚」

2017年5月のある日、千葉ロッテマリーンズの本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの試合途中に、謎のマスコットがグラウンドに突然登場。頭に提灯をつけ、何も考えていないかのような丸い目と大きく開けた口、そして何よりも人の足が付いた魚の体と、あまりにもシュールな姿のキャラクターが唐突にグラウンドに現れたことで、球場は騒然としました。

「謎の魚」という呼称以外情報がないなか、6月には、「謎の魚」の大きな口から、魚の骨が分離するという「第三形態」がお披露目され、球場はあぜん。この映像は瞬く間にSNSでシェアされ、海外でもニュースになるなど、大きな話題となりました。「マーくん」「リーンちゃん」「ズーちゃん」というれっきとした公式マスコットを差し置いた「謎の魚」は、その後もたびたび登場し、ぬいぐるみやキーホルダーなどの商品化もされています。

謎の魚

オリックス・バファローズ「バファローズポンタ」

ツイッターで試合後ごとに話題になるのは、オリックス・バファローズがポンタカードとタイアップして誕生したバファローズポンタです。
バファローズのキャップとユニフォームを着たポンタが、ツイッターで試合前と試合後にイラストで登場します。特にファンが楽しみにしているのは、試合に負けた後のイラスト。なぜかポンタは必ず脱衣しており、相手チームの象徴である動物(鷹や鷲やカモメ等)に蹂躙されていたり、やけ酒を飲んだりと、バラエティに富んだイラストがアップされます。「おりほー」と叫ぶキャラクターの可愛さも相まって、ツイッターは27万人ものフォロワー(2018年7月現在)がいて、さかんにリツイートされています。

バッファローポンタ

東京ヤクルトスワローズ「つば九郎」

プロ野球チームの公式マスコットで一番有名なのは、「つば九郎」ではないでしょうか。つば九郎はフリップを使った数々の時事問題(アイドルの未成年飲酒事件、グラビアタレントへのセクハラ事件、アメフトのラフプレー問題などなど)にかこつけたジョークで笑いを取っています。もちろん東京ヤクルトスワローズのマスコットなので、つばめなのですが、その風貌と暴言すれすれの発言や行動から、一部のファンからは「畜生ペンギン」(畜ペン)と呼ばれ、愛されています。

つば九郎

中日ドラゴンズ「ドアラ」

自由奔放なキャラクターといえば中日ドラゴンズの「ドアラ」がいます。このキャラクター、ナゴヤドームの試合の7回に必ずバック転をするのですが、成功する日もあれば失敗する日もあり、その成否は球場の楽しみの1つになっています。失敗するのも演技なのでしょうが、実況と解説者がドアラのパフォーマンスを真面目に解説するのもお約束になっています。
ドアラ

SNSで「バズる」キャラクターづくり

そのほか、ゆるキャラのDB.スターマン(横浜DeNAベイスターズ)、女の子キャラクター「バファローベル」(オリックス・バファローズ)、広島東洋カープの「キモカワ」(気持ち悪いけど可愛い)キャラクター「スラィリー」など、多彩なキャラクターが球場には登場します。

各球団がマスコットキャラクターに力を入れているのは、1つは「ボールパーク」での盛り上げ役、2つめにはグッズの売上がありますが、3つめはSNSで「バズる」(爆発的に話題になる)可能性があるからだと思います。千葉ロッテマリーンズの「謎の魚」はその好例です。

テレビ観戦をする人は減少していますが、ライブで観戦する人は増えています。これはスポーツや音楽などのエンターテインメントで共通した現象です。球場を彩るマスコットキャラクターを洞察するのも、各球団のマーケティング・ブランディング戦略を学ぶのに適していると思います。

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