Branding Method

アプリ連携やブランドのミックスが進む自動販売機の今

投稿日:2017年3月27日 更新日:

アキュアパス

街を歩いていれば必ずといっていいほど置いてあるのが自動販売機(以下、自販機)。最近では違う飲料ブランドが併売されている自販機や、「イノベーション自販機」と呼ばれるアプリ連携型の機種も登場してきています。今回は自販機を使った販売戦略について見ていきます。

ブランドミックスが目立つ自販機

サントリーがJTの飲料自販機事業を買収したのも記憶に新しいところですが、最近では設置台数4位のダイドードリンコと5位のキリンビバレッジが手を組んで相互販売を行っています。ダイドードリンコでは、キリンビバレッジの「午後の紅茶」や「メッツコーラ」を、一方のキリンビバレッジではダイドードリンコの「世界一のバリスタ」などのコーヒー飲料をラインナップに追加することで、今までとは違った顧客の取り込みを狙っています。

定価販売で、収益性の高い自販機は各社にとって重要な販路となっているため、前述のとおり相互販売や買収なども進んでいます。

自販機の性質上、設置台数や商品数を増やすことは難しく(飲料自販機の設置台数は、2015年末時点で、前年と比べて0.8%減の約255万台と減少傾向にある。)商品ラインナップの工夫やスマートフォンとの連携に活路を見出しています。

アプリと連携する各社の自販機

キリン子会社とLINEの協業サービス「Tappiness」

Tappiness

キリンの子会社であるキリンビバレッジバリューベンダーとLINEが2017年の春以降にリリース予定の「Tappiness」。SNSアプリ「LINE」と自販機をビーコン経由(Bluetoothを利用した無線通信)でつなげたもので、購入時にポイントが貯まり、貯まったポイントを使って無料でドリンクが手に入るサービスです。LINEをスマートフォンにインストールしていれば使える手軽さがウリです。

コカ・コーラが提供している「Coke ON」

Coke ON

「コカ・コーラの自販機がおトクに楽しくなるアプリ」をコンセプトにダウンロード数は300万を突破しました。コカ・コーラの自販機にスマートフォンを近づけて認証後にドリンクを購入するとスタンプが貯まり、15個貯まるとドリンクが1本無料になります。ドリンク無料の特典は友人や家族等ともシェアできるようになっています。

企業の「健康」を支援する「サントリー GREEN+(グリーンプラス)」

グリーンプラス

サントリー食品インターナショナルが展開しているのは、企業の従業員の健康増進の支援を目的としたスマートフォンと自販機の連携サービスです。
オフィスには「黒烏龍茶」などトクホ飲料をラインナップに入れた自販機を設置し、購入時に連携したアプリにポイントが貯まり、貯まったポイントでトクホ飲料と交換することができます。このアプリの特異なところは、購入時だけでなく歩いた歩数によってもポイントが貯まる点です。トクホ飲料を多く出しているサントリーならではのサービスと言えます。首都圏では80社に1000台が導入され同社の売上げアップに貢献しており、2017年秋までには10,000台の導入を目指しています。

導入が始まったイノベーション自販機

イノベーション自販機

駅構内に自販機約1万台を設置しているJR東日本ウォータービジネス。同社が3月から設置している「イノベーション自販機」が話題になっています。
これまでにない“自販機での新しい価値体験を提案し続ける”をコンセプトに、東京では東京駅、品川駅、新宿駅に設置されました。

主な特徴としては、
・飲料メーカーの枠を超えた“ブランドミックス”のラインナップ
・スマートフォンアプリ「acure pass(アキュアパス)」と連動しさまざまなサービスが受けられる
・現金決済が不可、クレジットカードを登録した「acure pass」かICカードでの支払い
・「acure pass」内でドリンクを選んで購入しておくことで、自販機でQRコードをかざすだけでドリンクが手に入る
・「acure pass」からLINEやFacebook、TwitterなどのSNS経由でドリンクをギフトとして家族や友人へプレゼントすることができる
・アプリでポイントを貯めてポイントで購入できる
・キャンペーンがあれば無料ドリンクが手に入る

などがあります。(詳しくは下記動画をご覧ください)

もともと、JR東日本ウォータービジネスが設置している自販機「acure」ではビッグデータを基にした商品ラインナップを展開していました。
今後はさらにアプリと連携し、さまざまなテストマーケティングを行うことで新たなサービスや工夫が生まれることでしょう。

今回は進化を遂げる自販機について見てきました。設置台数や商品数に制限があることが、さまざまな工夫を生んでいると言えるでしょう。今後の変化についても見逃せません。

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