ブランディング応用

ブランド戦略に欠かせない商標権の基本を知ろう!

投稿日:2015年9月7日 更新日:

syouhyou

オリンピックのエンブレムに始まり、動物園のロゴ・・・。今世間を賑わしているデザインの盗用問題。デザインそのものを守ってくれるのが「著作権」という知的財産権です。商品の形などのデザインを保護するのは「意匠権」になります。またこのデザインを「マーク」として、商品やサービスなどに使うと「商標権」の対象となります。これらはすべて知的財産権の一種です。

ブランド戦略を考える上でも、知的財産権に関する知識は必要不可欠です。そこで、今回はブランド戦略に欠かせない商標権について、基本的な内容を紹介します。

商標権とは?

法律

ブランディングをしていく上で、消費者・顧客に「ブランド」を識別してもらうためには、さまざまな「ブランド要素」に触れブランドの事を知ってもらうことが必要です。

「ブランド要素」とは、

  • ネーミング
  • ロゴマーク
  • ロゴタイプ
  • キャッチコピー
  • キャラクター
  • ジングル(音楽)
  • ドメイン(URL)
  • 匂い

など、ブランドを識別させるコントロール可能な最小単位の要素のことです。これらのブランド要素は、消費者・顧客に、ある特定のブランドを思い起こさせるために重要で、特にネーミングやロゴマークを決める際は、事前に他社の権利を侵害していないかを確認する必要があります。

日本では知的財産権制度により、知的創造活動により生み出されたものは、創作した人の財産として保護されています。

知的財産権は大きく2つに分かれている

特許権や著作権など「知的創造物についての権利」と
商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とした「営業上の標識についての権利」に分かれます。

ブランド戦略で重要な、商品・サービスに使用するマークやネーミングを保護するのは「商標権」です。

titekizaisan(出典:特許庁ホームページより)

消費者・顧客は、商品・サービスを選択し購入する際、企業のマークや商品・サービスのネーミングである「商標」をひとつの目印としています。「商標」を見ることで、消費者・顧客はブランド・イメージを想起したり、安心感を感じたりします。そのためブランド戦略にはとても重要な役割を果たしています。

商標を登録するには

商標権を取得するには、特許庁に商標を出願して商標登録を受ける必要があります。ネーミングを行う際は、採用しようとしているネーミングがすでに登録されているものでないか、事前に調べておく必要があります。
以下のサイトで検索することができます。

特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

商標法では、サービスのことを「役務(えきむ)」といい、指定した商品を「指定商品」といいます。

商標登録出願を行うためには、「商標登録願」に必要事項を記入して提出しますが、その際「区分」を記載しなくてはなりません。

区分の記載

「区分」とは、商品・役務を一定の基準によってカテゴリ分けしたもので、第1類から第45類まであります。個別の商品・役務の区分を調べたいときは上記の「特許情報プラットフォーム」で検索することができます。

この区分を適切に記載しない場合、指定商品・指定役務が不明確であることや区分が間違っていることを理由として商標登録を認めてもらえないことがあります。また、適切な権利取得ができないといったデメリットがあるため、区分に関してはよく検討して記載することが大切です。

商標登録にあたっては、同一または類似の商標の出願があった場合、その商標を先に使用していたかに関わらず、先に出願した者に登録を認める「先願主義」が採用されています。

商標権の審査から登録まで

商標登録出願がされると、特許庁では、出願された商標が登録することができるかどうかを審査します。以下のような商標は登録されません。

① 自己の商品・役務と、他人の商品・役務とを区別することができないもの
例えば、アクセサリーを登録しようとして「アクセサリー」という商標は「商品の普通名称」であるため、登録することができません。また、単に商品の産地、販売地、品質のみを表示する商標も登録できません。

② 公益に反する商標
例えば国旗と同一または類似の商標や、公序良俗を害するような商標は登録できません。

③ 他人の商標と紛らわしい商標
他人の商標と同一または類似の商標であって、商標を使用する商品・役務が同一または類似のものは登録できません。

審査の結果登録査定となった場合は、登録料を納付すると商標登録原簿に登録され、商標権が発生します。商標権が発生すると、権利者は指定商品・指定役務について登録商標を独占的に使用できます。権利を侵害するものに対しては、侵害行為の差し止め、損害賠償を請求できます。商標権の存続期間は登録日から10年です。ただし、必要な場合は更新することが可能です。

この他、商標について詳しい内容は特許庁のホームページを参照してください。

特許庁
http://www.jpo.go.jp/seido/shohyo/index.html

まとめ

ブランディングの工程で、商標権に関わるネーミングやロゴを決める際は、これらのことを頭に入れて、事前によく調べるようにしましょう。もし後から、他社の権利を侵害していることがわかれば、損害賠償を支払うだけでなく、ブランド・イメージを大きく損なう恐れもあります。逆に商標権が認められれば、他社の類似や同一商品・役務を排除できるため、強みになります。予算も踏まえ検討してみてはいかがでしょうか?

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