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Branding Method

価格競争からの脱却!付加価値を高めて利益率を上げよう

投稿日:2015年4月1日 更新日:

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近年市場の価値が多様化しコモディティ化が進む中、価格競争が激化しています。特に中小企業にとって、この状況は非常に厳しいもの。価格競争による低価格化が進むと、企業の利益が減り、経営が圧迫されるからです。一刻も早く価格競争から脱出し、利益を確保しなくてはなりません。

そこで、価格競争から脱出するひとつの策として、付加価値にフォーカスし利益率を高める方法を紹介します。

コモディティ化する現在の市場

コモディティ化とは、同じ業界の中で、商品の機能や品質、ブランド力などの差別化できる特徴が損なわれ、「価格」や「量」を元に売買が行われるようになった状態のこと。現在の市場では、新商品が発売されてもすぐに同じような商品が市場に出回り、あっという間にコモディティ化が進んでしまいます。

例えばスマートフォン市場では、発売当初は端末のプロセッサーや電池、ディスプレイ、カメラなどの機能高度化に焦点があてられ、スペック間での開発競争が行われていました。しかし今では、すでにどの機種も高機能化し、消費者はある程度満足している状況になっているため、価格の安いものが増えています。

市場が未開拓の段階では、商品に機能が追加されていくにしたがって、消費者にとっての購買価値も上がっていきます。つまり、機能が充実すればするほど、消費者は価値を感じてそれを購入するようになるのです。
しかし、多くの企業が商品を打ち出しスペック競争が進むと、機能や性能がある程度出そろってしまい、差別化が難しくなってしまいます。消費者から見ても、どれも似たりよったりの機能が並んでいるため、商品同士を機能面から比較する意味が無いのです。

コモディティ化がもたらすもの

コモディティ化が進行すると、消費者は次に「価格の安さ」や、近くの店やネットショップで簡単に入手できるかなどの「買いやすさ」を基準に商品を選ぶようになります。

しかし、商品を開発・製造・販売する企業側にとっては、それは大きな打撃になります。価格競争が激化することで必然的に価格は下落し、利益率に大きく響いてくるからです。

他社と差別化するためには?

価格競争から脱却するためには、他社と差別化できる要素を見出すことが求められます。機能面だけではすぐにコモディティ化してしまうため、機能以外の面で新しい価値を消費者に提供していく必要があります。

そこで重要となってくる機能以外の価値とは、「情緒的価値」や「社会的価値」があげられます。

「情緒的価値」と「社会的価値」

パソコンやモバイル端末市場におけるApple社は、「情緒的価値」を付加している顕著な例です。スマートフォンを一つ買うにしても、Apple製のiPhoneを選ぶ場合、「持っているとかっこいい」「見た目が美しい」「思わず触りたくなる」などの「情緒的価値」を選定基準にする消費者は多いです。

また、「社会的価値」の例としては、節水機能や節電機能が付加された生活家電製品や、「ボルビック」が行った「1ℓfor 10ℓ」のように、その商品を購入することで環境に役立っているという価値を与えたキャンペーンは有名です。消費者に、環境や経済にメリットをもたらす付加価値に魅力を感じさせるのが「社会的価値」です。

コモディティ化した市場においては、人のライフスタイルまで変えてしまうほどの差別化要素は大きな切り札となります。

付加価値を高める戦略の一つ「ブランディング」

競合と差別化するためには付加価値をつけることが重要です。その付加価値を高めるための戦略の一つに、「ブランディング」があります。

例えば現在の牛肉市場においては、飛騨牛や佐賀牛、十勝和牛などさまざまなブランド牛が知られています。その中に最近登場したのが「オリーブ牛」です。これは香川県小豆島で餌にオリーブオイル作りで使用した「かす」を与えた新しいブランド牛です。

従来小豆島では「讃岐牛」が他のブランド牛よりも安く取引されていました。そこで生産者が新たな付加価値として目を付けたのが、地元の特産品であるオリーブです。オリーブは悪玉コレステロールを減らす「オレイン酸」を多く含みます。オリーブを餌に混ぜて育った牛は、通常のブランド和牛よりも「オレイン酸」を多く含み、肉質も柔らかくなることがわかりました。特に健康志向が高い人に、このオリーブの効果が魅力的な付加価値として受け入れられ、高価格での販売を実現させたのです。

この「オリーブ牛」の例からもわかるように、付加価値を高めるブランディングは、価値競争から脱却し企業の利益を高めます。それによって、長期的に経営を安定させることが可能になるのです。
今一度自社の商品やサービスの価値について、見直してみてはいかがでしょうか?

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