ブランディング基礎

CI、VI、BIの違いとは?

投稿日:2018年4月25日 更新日:

打ち合わせ
デザイナーやマーケターの間では「CI」「VI」「BI」といった言葉が飛び交い、解釈の違いで混乱することがあります。これらをはっきりと区別しないままだと、クライアントとのやり取りでも齟齬が生じてしまうことでしょう。今回は「CI」「VI」「BI」の意味を解説します。

CI(コーポレート・アイデンティティ)とは

ビルのイラスト
CIはコーポレート・アイデンティティの略で、「企業の特性を、統一されたビジュアルやメッセージで内外に発信し、共有してもらうことで、企業的価値を高めること」を指します。
CIはビジュアル・アイデンティティ(VI)、マインド・アイデンティティ(MI)、ビヘイビア・アイデンティティ(BI)によって構成されています。よくCIというと企業ロゴや社名変更などを指すと思われがちですが、企業理念や企業行動の統一も含まれます。

1980年代には潤沢な広告予算を持つ大企業を中心に「CIブーム」が到来します。しかしその多くは会社のロゴの変更や社名変更などに留まり、本来の企業的価値向上の目的とほど遠いものとなっていました。バブル崩壊とともに「CIブーム」は終息します。

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは


ビジュアル・アイデンティティ(VI)とは前述の通りCIの構成要素の一つで、企業の視覚的な展開を統一させる活動のことです。
会社案内のパンフレットや名刺、封筒、Webサイトにいたるまで、ビジュアルに一体感を持たせることで、顧客や社員に企業の一貫性のある価値観を訴求し、共感やモチベーション向上をもたらします。

BI(ブランド・アイデンティティ)とは

ブランド
BIとはブランド・アイデンティティの略で、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会では次のように定義しています。

自社を、あるいは自社が提供する製品やサービスを「顧客にどう思われたいか」を明確にすること

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

2008年に一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会を設立した岩本俊幸代表理事は「CIブーム」や協会設立当時のことを次のように振り返っています。

1980年代にとくに大手企業で流行っていた「コーポレート・アイデンティティ」という手法があり、大手広告代理店は、数億円以上の予算を獲得して提供していたようです。その後、バブルがはじけて、CIというキーワードはめっきり聞かなくなり、替わりに台頭してきたのが「ブランディング」という手法です。
大手広告代理店にとっては、この「ブランディング」という手法は、クライアントの予算を獲得するためには、都合が良く、消費者からのブランド認知を多く得るための媒体を、たくさん出稿してもらう口実にもなりました。 このようなこともあり、「ブランド戦略」「ブランディング」という手法、キーワードは、広告代理店が広告予算を獲得するための常套句という捉え方をしていた中小企業の経営者層が少なくなかったように思います。

こうした誤解がありながらも、ブランディングの概念は着実に根付いていきます。

グラフィックデザインに限らない広義のアイデンティティを大事にする

CI(コーポレート・アイデンティティ)やBI(ブランド・アイデンティティ)という言葉を使うことにおいて、気を付けなければならないことがあります。単にブランドを取り巻くグラフィックデザインを「CI」と呼ぶことがあるということです。

例えば、デザイナーがクライアントから「CIを変更したい」と頼まれたとき、単にブランドのロゴを変えることと、ブランドを顧客にどう思われたいのかを再定義することを混同しては大変です。
また重要なことは、ブランドのロゴのデザイン変更を頼まれたとき、クライアントのもっと深い悩みをかぎ取ることです。クライアントは「もっと顧客に認知してもらい、共感してもらい、売れるブランドにしたい」と悩んでいるかもしれません。そんな時は、ロゴのデザインに留まらず、ブランドとしての在り方についても提案することが大切でしょう。

-ブランディング基礎

関連記事

近大生まれのマグロ解体ショー

近畿大学の「おもろい」ブランディング戦略

(出典:http://www.news2u.net/releases/140090/items/1/) 少子化が進んだことで、旧態依然とした大学の世界でも、学生を引き付けるブランディングの意識が必要に …

lexus

【STP理論】で考えるレクサスのマーケティング戦略

(出典:https://lexus.jp/) レクサスはトヨタ自動車が1989年にアメリカで販売開始した高級車ブランド。「品質のいい大衆車」のイメージが定着していた日本車のイメージを覆し、レクサスは高 …

モスバーガーのとびきりハンバーグサンド

モスバーガーのブランド戦略〜キーワードは「おいしさ」〜

(出典:http://mos.jp/cp/tobikiri/) 絶好調のマクドナルドや、出店相次ぐ高級ハンバーガー店が話題になる中でも、業界2位のモスバーガーは独自なポジショニングとブランド戦略で健闘 …

ガリガリ君

「ガリガリ君」の本質は「くだらなさ」? 口コミマーケティングの優等生に学ぶ

(出典:https://www.akagi.com/brand/garigarikun/index.html) 猛暑にはかき氷。でもわざわざ家に帰ってスプーンですくって食べるのは面倒くさい。それなら外 …

ブランディングの正体 その1

ブランディングとは一体何なのでしょうか。いろいろな定義があり、どれもブランディングの一側面は捉えているものの、いまだにやっぱり良く分からないというのが実情のように思われます。そして実に幅広いものがブラ …

ファイブフォース分析とは!?〜マクドナルドを例に解説〜
ファイブフォース分析とは!?〜マクドナルドを例に解説〜
2月 9, 2018 に投稿された
「オンデーズ」はメガネ業界のZARAとなるか? 〜JINSとは一線を画すファッション路線〜
「オンデーズ」はメガネ業界のZARAとなるか? 〜JINSとは一線を画すファッション路線〜
5月 23, 2018 に投稿された
【誰にでもわかる!?】スターバックスから学ぶ3C分析
【誰にでもわかる!?】スターバックスから学ぶ3C分析
2月 15, 2016 に投稿された
ブランディングとは? 「基本的な意味と進め方」について解説!
ブランディングとは? 「基本的な意味と進め方」について解説!
5月 16, 2018 に投稿された
スターバックスの4P/4C戦略【立地戦略・プロモーション戦略編】
スターバックスの4P/4C戦略【立地戦略・プロモーション戦略編】
1月 17, 2018 に投稿された
サービスの質も向上! 従業員が自ら動くようになる「インターナルブランディング」とは?
「ブランドM&Aはなぜ起るのか」など、記事一覧はこちら
中央大学ビジネススクール教授 田中洋
【特別寄稿】ブランド力を最大限に引き出す!世界観のあるブランドが持つ強みとは?
ブランド力を最大限に引き出す!世界観のあるブランドが持つ強みとは?

株式会社JOYWOW代表取締役会長
阪本啓一

【特別寄稿】企業に求められる「情緒的価値」とは?
今企業に求められる「情緒的価値」とは?
株式会社イズアソシエイツ代表 岩本俊幸