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新たな市場を開拓する「進化系カプセルホテル」とは!?

投稿日:2017年3月31日 更新日:

ファーストキャビン

カプセルホテルというと「狭い」「終電がなくなったから泊まる」など消極的な利用が目立っていました。しかし、最近ではそのイメージを覆す「進化系カプセルホテル」が登場してきています。今回は、その代表格と言えるファーストキャビンを中心に「進化系カプセルホテル」について紹介します。

ファーストキャビンとは?

2008年に事業を開始したファーストキャビンは「飛行機のファーストクラスをイメージしたコンパクトホテル」をコンセプトに東京に7店舗、京都、大阪、九州と合わせて合計12店舗を展開しているカプセルホテルです。
キャビンは、ベッドとサイドテーブルがある約2.4帖程度の「ファーストクラス」とベッド分のサイズの「ビジネスクラブ」の2種類があり、それぞれ、32インチの液晶テレビやコンセント、Wi-FI、鍵付きセーフティボックスなどが設置されています。

ファーストキャビン

まるでビジネスホテルのような設備

ラウンジ

館内には広いラウンジや大浴場、シャワーブースなどの設備があり、宿泊費はファーストクラスで6000円〜7000円程度、ビジネスクラスが6,000円程度で宿泊できます。(赤阪店の2017年3月時点での価格はファーストクラスが宿泊6,800円、ビジネスクラスが宿泊5,800円)
駅から徒歩5分程度の立地のよさもさることながら、女性専用など女性をターゲットとした「女性専用エリア」や「女性専用ラウンジ」を用意しているのも特長です。

訪日外国人や出張客などの需要が期待され、2017年1月にはJR西日本との共同出資会社「JR西日本ファーストキャビン」を設立し、西日本への出店を強化しています。
こうした今までのカプセルホテルとは違ったデザイン性の高さや設備の充実度などが「進化系カプセルホテル」と言われる所以です。

インバウンド向けのカプセルホテルも

NADESHIKO HOTEL SHIBUYA

前述のとおり、インバウンド需要も考えて各ホテルはさまざまな取り組みを行っています。例えばテレビ東京の「Youは何しに日本へ?」で紹介された、渋谷の神泉にある女性専用のカプセルホテル「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」。2016年にオープンしたこのホテルでは、当初より訪日外国人の特に女性をターゲットにしています。

大浴場

着物を着た女将のお出迎えから、和モダンデザインの内装。大浴場には壁一面に赤富士が描かれているなど日本文化が全面に打ち出されています。他にも、浴衣が数種類から選べて着付けも教えてくれるといったサービスも行っています。1階には宿泊者以外や男性でも利用できる日本酒居酒屋「OISHI KOMACHI SHINSEN」を併設していて、日本酒の飲み比べが好評です。

清潔感やデザイン性の高さが女性客を呼ぶ

「進化系カプセルホテル」の価格と設備を見てみると、ビジネスホテルとカプセルホテルの間のポジションにちょうど位置しています。
ファーストキャビン代表取締役社長の来海氏は次のように語っています。

インバウンド(訪日外国人)の宿泊需要のほか、当ホテルは女性客の割合が高くなっています。従来のカプセルホテルは男性専用のところも多く、女性が手ごろな価格で泊まろうとすると、選択肢は限られました。ファーストキャビンのコンセプトは、『コンパクト&ラグジュアリー』。リーズナブルでありながら、清潔感があってセキュリティもしっかりしており、快適に過ごせる。今までにないホテルであり、新たな市場を開拓しています

このように、「進化系カプセルホテル」は今までにない綺麗で整った設備と高いデザイン性により新しい顧客層を獲得することができているのです。

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