コンテンツマーケティングの流行や、マーケティングツールの台頭により、いま注目されているBtoBのマーケティング。今回は、BtoCと比較しながらBtoBマーケティング8つの特徴をご紹介します。
BtoB・BtoCとは?
まずは、前提としてBtoBとBtoCの違いをみていきましょう。
・BtoB(Business to Business)
法人間で行われる取引。
顧客となるのが「組織・法人」です。
・BtoC(Business to Custormer)
法人対個人消費者の間で行われる取引。
顧客となるのが「一般消費者」です。
BtoBとBtoCでは、顧客が違うため、下図のような違いがあります。
それでは、具体的にBtoBマーケティングの特徴を見ていきましょう。
1.取引額が大きく、複数回継続的に取引が行われる
BtoCでは完成された製品を購入しますが、BtoBにおいては完成品だけではなく、製品の原材料や、顧客の要件に合わせカスタマイズされた製品・サービスが取引されています。
製造ラインにおいては、多くの原材料や部品が必要になり、生産が続く限り大量に発注するため、取引額も大きく継続的に取引が行われます。
2.決定者が複数人となる
インターネットでショッピングサイトを見ているときに、気に入った商品を見つけてワンクリックで購入してしまう。こういったことは企業においては有り得ないことでしょう。
企業では一般消費者と違い、購入するときに決定者が複数人になります。商品を探すのは部下で、実際に購入の決定権があるのは上長の部長であったり、取締役や社長であったりとする場合が大半です。
3.関与者それぞれの役割が違う
前述のとおり、購入までに複数人が関わってきますが、その役割は3つに分けることができます。
・意思決定者
代表取締役、役員、部門長、部長などの予算の決定者を指します。
・購買担当者
予算や必要な要件(システムなら一定のスペックや機能を満たしているか)に沿って製品・サービスのリサーチをする人です。各部門の管理層やリーダーなどです。
・使用者
主に製品・サービスを実際に利用する従業員です。WebアプリケーションやITシステムなどは、技術者や使用者の使い勝手が重要になるため、トライアルを行ってから導入することが多くあります。
4.合理的な判断で選定される
購入の決定者が複数人となり部門をまたぐ場合もあるため、複数の意見を統合したより合理的な決定が求められます。また、好き嫌いなどの個人的な感情は考慮されません。
例えば、企業内で全員がMacが好きだといっても、社内で必要なアプリケーションがMacに対応していなければWindowsを選択することになるでしょう。
5.長期的な取引関係
売り手と買い手双方にメリットがあるため、長期的な取引関係が多くなります。
●売り手のメリット
・計画的に生産ができる
・情報交換が簡素化できる
●買い手のメリット
・取引先を変えるための時間やコストが無駄に発生することがなくなる。
6.信頼関係が求められる
BtoCでは、「口コミで購入した」「新商品だから試しに買ってみた」など、企業の事業内容や取引先などの情報は気にせずに購入されることが多くあります。
ところが、BtoBにおいては、1回あたりの取引量が多く、長期的な取引が行われるため、商品選定に慎重になります。さらに企業として信頼できるかという視点からも考えます。開発システムや生産ラインなどでは、継続的なサポートが必要となるためです。
7. 企業イメージによって商材が選ばれる
「この商品で同業他社が成功している」
個人的な感情が影響しないBtoB取引においても、このような企業イメージは、少なからず選定の基準になります。これは、製品・サービスが均質化し、コモディティ化が進んだ結果、商品選定の判断材料がわかりづらくなったことが原因として考えられます。
8. 商材には付加価値が必要
同じ機能をもった商材でも、課題解決のための”気づき”を与えるものが、求められています。
例えば、ECサイトを運営するA社では、売上アップを目的とした施策において、多くの会社が提案するWeb広告ではなく、B社による「購入フォームの改善」という提案を採用した結果、売上につながったケースがあります。
A社はB社の提案により、発見できていなかった課題に気づくことができ、根本的な課題解決をすることができたのです。
BtoB取引においても必要なブランディング
今回はBtoBマーケティングの特徴をご紹介しました。個人ではなく組織との取引となるため、BtoCとの多くの違いが見受けられますが、合理的な判断が求められるBtoB取引においても、商品のコモディティ化により「企業イメージ」や「付加価値」などブランディングの要素も重要になってきています。ブランディングにご興味のある方は、是非、他の記事も併せてご覧ください。