(前略)ユベントスが描いているシナリオは、「JUVENTUS」というブランドに「CR7」という大きな付加価値をつけることによってその商業的価値を大きく高め、マーチャンダイジングやスポンサーといったグローバル市場をターゲットにしたビジネスを成長させ、それによって売上高を大きく伸ばしてライバルたちとの距離を縮め、同時に巨額の投資も回収する、というものだろう。
事実、ロナウドの獲得はSNSのフォロワー数だけでなく、ユベントスの株価までも大きく押し上げた。噂が上った7月2日時点で0.666ユーロだったものが、入団発表直後の7月22日には0.887ユーロと、33%もの値上がりを見せたのだ。これはロナウドがユベントスにもたらすであろう成長に、株式市場が大きな期待を寄せていることを証明する事実だ。
2月20日 footballista
世界最高のサッカー選手の一人であることに異議を唱える人はいまい。とはいえ、34歳。アスリートとしてはキャリアの終盤にあることは間違いない。果たして採算は取れるのか?――誰もが抱いていた疑問の答えは、ロナウド選手の圧倒的な“影響力”にあったのだ。
サッカー選手として数々の記録を打ち立て続ける傍ら、アパレルブランドも展開するロナウド選手は、3億人以上のSNSフォローを抱える超インフルエンサー。ユベントスからレアルマドリードへ支払われえた約153億円という移籍金も決して高いものではなのいだろう。ユベントスにとって、ロナウド選手は選手である以上に、最も力を持つ「メディア」でもあるのだ。
これからのアスリートは、企業マーケティングにおいても「プレイヤー」としての活躍が求められるようになっていくのだろうか。
BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ