セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

“ブランド模倣者”がオリジナルを超える日

投稿日:2019年12月27日 更新日:

生活雑貨を販売する「無印良品」の運営元「良品計画」に対して、無印良品そっくりの店舗を持つ中国企業「北京棉田紡績品有限公司」が商標権を巡って起こしていた裁判で二審の北京市高級人民法院は原告側の訴えを認め、良品計画に63万元(約970万円)の支払いなどを命じた。

「中国では、北京棉田紡績品有限公司が綿製品で“無印良品”の商標権を保有しています。そのため、良品計画は中国進出に際して対象商品を”MUJI”の商標で販売してきましたが、14〜15年に対象の一部商品を誤って“無印良品”のまま販売してしまったという。これに北京棉田紡績品有限公司は商標権を侵害されたとして提訴し、17年の一審では原告側の訴えが認められ良品計画は控訴していましたが、結局は二審も同様の判決が下されることになりました」(社会部記者)

なお、中国の裁判は二審制となっているため、これで良品計画の敗訴が決定。同社はすでに賠償金を支払ったという。

Asagei.Biz 2019/12/18
パクったもん勝ち?「無印良品」商標訴訟“敗訴”で当の中国でも批判が

“盗用した側”が、“盗用された側”を権利侵害で訴える――盗っ人猛々しいとは正にこのことだ。

しかし、近年急伸する中国~アジア企業において“日本的なもの”を模倣するスタイルは常套手段になっているし、それらすべてを単なる「パクり」の一言で唾棄していては日本だけが時代に取り残されてしまう。なぜならそれらは世界市場において、“オリジナル”として消費されているからだ。

例えば、中国の雑貨チェーン「名創優品(メイソウ)」はその最たるもの。ユニクロと見間違えそうなロゴマークにつられて入った店内には無印良品やダイソーを思わせる生活雑貨や文具が並ぶ。ただ、「商品の品質が高い」という点で、従来の模倣者とは一線を画す。

“日本らしさ”が価値となる時代に、オリジナルの日本企業(ブランド)が、その価値をいかに高めるか、守れるか――ブランド・マネジメントの考え方がより一層求められそうだ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

関連記事

ローソン「バスチー」 バズって大ヒットか

2019年3月26日(火)にローソンから発売され、ヒットを飛ばしているスイーツが「バスチー」(税込215円)です。発売前に群馬県でテスト販売を行い、絶好調だったという「バスチー」は、発売から3日間で販 …

宇大浪漫 産学連携によるブランド開発

宇都宮大学(宇大)の名を冠した焼酎「宇大浪漫」。これまでは県内の一部での販売に限られていたが、昨年から全国で流通が始まった。製造元の栃木県那珂川町の「白相(しらそう)酒造」は県内で唯一、麦や芋の本格焼 …

“脱モテ路線”へ舵を切るサマンサタバサ。その背景とは?

2019-20年秋冬からリブランディングを開始した 「サマンサタバサ(SAMANTHA THAVASA)」は、最新の広告ビジュアルを発表した。 (中略) 19年秋の第1弾のビジュアルでは、“ネオ マス …

訪日中国人を呼び戻す サンドラッグ銀座一等地の進出!

東京・銀座中央通りには、数多くの高級ブランド店や複合商業施設「GINZA SIX」が店を構える。この地に、東京西部を地盤とするドラッグストア大手のサンドラッグが「サンドラッグ銀座6丁目店」を1月19日 …

“半端ない”ブランド価値を目指して~本坊酒造が大迫選手とアンバサダー契約

桜島と鹿児島市(イメージ) “本坊酒造は、プロサッカー選手の大迫勇也氏とアンバサダー契約を締結した。同社は今後、大迫選手をアンバサダーとして起用したプロモーション、CM広告、ポスターなど各種販売促進ツ …

サイト内検索