ブララボの目

北海道の雄・セイコーマートにみる、ローカルチェーンの地元密着戦略

投稿日:2019年7月1日 更新日:

サービス産業生産性協議会の過去10回の顧客満足度調査で、北海道のセイコーマートはコンビニ部門1位を7回獲得している。消費者がコンビニに24時間営業と一律のオペレーションを熱望しているのだとすれば、こんな結果にはならない。

▼上位チェーンの24時間営業と歪な利益配分が社会問題化する中、セイコーマートへの注目度が増している。同社の営業時間は原則7~23時。半数以上の店舗で元旦休業を導入し、見切り販売に至っては本部側で推奨している。

▼こうして人口減少が急速な北海道で店の持続可能性を高める一方、本部はロイヤリティ収入への依存度抑制に向け、道産品などを本州・海外に積極的に売り込んでいる。しかも、自らリスクをとって製造機能を内製化しているわけだから、地域経済循環への寄与率も高いはずだ。

▼同社は71年、酒類卸主宰のボランタリーチェーンとして出発した。そのDNAが調達・外販力でロイヤリティ不足をカバーする戦略に向かわせた部分もあるだろう。そこには人口減少に喘ぐ地方流通再生の有効な処方箋がある。

食品新聞 2019/6/19
セコマが示す処方箋

コンビニエンスストアチェーンの寡占化が進み、現在は大手3社が日本全国の店舗で大勢を占める状況である。かつては様々な形態・業態の店舗が乱立していたが、M&Aや経営統合により、収斂された市場になりつつある。そのような寡占化しつつある市場のなかで異彩な存在感を発揮するローカルコンビニエンスストアチェーンがある。セイコーマートだ。

セイコーマートは北海道を拠点とし、それ以外では埼玉県と茨城県に店舗を展開している。基本的にドミナント戦略を志向する小売業界においても不思議な、独特の店舗配置となっている。また、店舗の取扱い商品についても、NB以上に自社開発商品(PB)が目立ち、その商品も北海道の地元愛を基にしたものが多く、奇抜で個性的な商品も発売されている。

確実にむせる! セイコーマート『山わさび塩ラーメン』が罰ゲームに近い味

https://news.nicovideo.jp/watch/nw5286618

ニコニコニュース 2019/5/12

このように、独自性とユニークさで有名となったセイコーマートだが、2018年の北海道地震の際には日頃からの危機管理体制が活かされ、北海道全店舗のなかでも被害の少ない90%ほどの店舗で営業を継続し、物資危機に陥った地域住民のライフラインを支える大活躍をした。このことで、地元住民からはより一層の支持を高めるとともに、全国的な知名度も上げた。

セイコーマートが北海道大地震対応で底力発揮

https://hre-net.com/keizai/ryutu/32807/

リアルエコノミー 2018/9/7

ローカルチェーンが生き残るにためは、地元住民から支持され続けることであり、飽きられないことが重要であるが、セイコーマートは徹底的な地元密着戦略を目指すことで、地元住民からの支持を獲得し続けている。また、対外的には既存の「北海道」という付加価値の高いブランドを最大に活かしつつ、北海道以外では極端な店舗拡大戦略をとらないことで、希少価値を生み出すことに成功している。今後も北海道の雄として、そしてローカルチェーンの星として輝き続けてもらいたいと願う。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント

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