セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

「ブランドイメージが落ちる」~南青山児相の説明会

投稿日:

東京・港区は15日、南青山の一等地に児童相談所(児相)を含む複合児童施設の建設を計画している件で、前日14日に続き大規模説明会を開いた。説明会は計6度となるが、近隣住民が「ブランドイメージが落ちる」などと建設に強く反発。終了時間で質疑を打ち切ろうとした区の担当者に「まじめに答えろ」と怒声が飛ぶシーンもあった。

「青山のブランドイメージをしっかり守って欲しいし、世界に発信していく町。土地の価値を下げないでいただきたい」。南青山在住の3児の母は強く言い切った。(後略)

<参加者の主な声>(抜粋)
◆在住の高齢女性 入所した子供が1歩外に出ると、そこには幸せな家族、着飾った人、おしゃれなカフェ。その場面と自分を見たときのギャップ。そんな状況が心配

◆在住の中年男性 子を持つ親として、こんな理由(ブランド低下)で反対したとは、将来子供にとても言えない

◆30代の在住男性 建設反対は、虐待を受けている子供を見捨てる、虐待に加担している行為

(日刊スポーツ 2018/12/16)

南青山は「おしゃれな街」というイメージが確立している。これに異論をはさむ人はいないだろう。しかし、児相設置反対の理由が「ブランドイメージの保護」とは、正直なところ仰天した。その一方で、反対理由の中には児相に入所した子供の立場に立った意見もある。

イメージとは人の頭の中にあるものに過ぎない。しかしそれがいかに強い影響力をもっているか、この事例は如実に示している。イメージが人の言動を支配し、場合によっては他人と争ってでも、そのイメージを守るよう仕向けるのである。
ブランドはイメージの力の強さを前提にしているが、このような事例のために世間で「ブランド」自体が悪者にされてしまわないよう祈るばかりである。

 

能藤 久幸(のとう ひさゆき)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 ディレクター・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ ブランド・コンサルタント

関連記事

全仏閉幕。テニスウエア勢力図に異変あり?

テニスの全仏オープン第13日は7日、パリのローランギャロスで行われ、男子シングルス準決勝で3年連続12度目の優勝を目指す第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が四大大会通算20勝を誇る第3シードの …

キラキラネームの改名 名前の意義

(赤池肇氏のtwitterより) 「王子様(おうじさま)」と名付けられた山梨県の高校3年の男性(18)が、自らの名前は「恥ずかしい」として甲府家庭裁判所に改名を申し立てたところ、認められた。 新しい名 …

オレゴン州、観光プロモーションとして魔法のような世界をアニメ動画で表現

米オレゴン州観光局は2月14日、アニメ動画「Only Slightly Exaggerated~オレゴンで魔法のような体験を~」の公開を発表した。観光プロモーションとして、写真や動画ではできない魔法の …

ロゴマークはスマホで自作する時代?

起業、新規事業、副業(複業)——。 働き方や稼ぎ方、生き方が一様でなくなってくる時代だからこそ、所属する起業以外の名刺やロゴが必要な機会は増えている。 プロトタイピング的に新しいサービスをつくってみた …

ボート参入の「レクサス」。陸の王者は海も制す?

画像引用:https://lexus.jp/models/ly/ トヨタ自動車は高級車ブランド「レクサス」で初めてとなるボートを10月30日から販売すると発表した。商品名は「LY650」で日米とカナダ …

サイト内検索